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図6 就職の職種状況図7 職種別年齢構成は10名であった。利用目的は,対象者全員がPC訓練,臨床実習,就職活動支援をあげていた。就職職種状況は,ヘルスキーパーに16名,高齢者施設に12名,訪問マッサージに2名の合計30名が就労した(図6)。ヘルスキーパーと高齢者施設に就職した対象者の利用開始時の年齢階層を見ると,20歳代で高齢者施設への就職者はいなかった一方,ヘルスキーパーには50歳以上で就職した対象者はいなかった。(図7)。4.2 PC訓練カルテや予約管理などが可能となるためにPC訓練を行っている。対象者全員がPC操作の習得を利用目的の1つとし,PC訓練は役だったと答えている。就労した30名のうち19名,特にヘルスキーパーは16名全員が業務でパソコンを利用していた。使用目的は,ヘルスキーパーの場合,施術記録,および予約管理であった。施術記録については主に表計算ソフトを使用していた。記録の記入だけではなく,抽出-4-機能を使い,施術履歴などの参照も行っていた。予約管理については,予約状況をメールやグループウェアで行っている企業もあった。特にグループウェアは企業ごとに仕様が異なるため,事前の練習が難しく,グループウェア導入企業に就労した対象者に対して,現場で操作説明も行った。このことから,マッサージ業務での就労の際にもPC操作の習得は必須であると考える。今後は,グループウェアを利用するためのブラウザの練習強化,代表的なグループウェアを利用できる環境の整備,勤務開始前後に現場において操作説明時間の確保を企業に依頼するなど,プログラムの充実を図っていきたい。4.3 臨床実習臨床実習については,当初は対象者同士による実習を中心に行っていた。しかし,対象者同士では慣れが生じ,マンネリ化が生じるなど,対象者からも改善を求める声があった。そこで,平成27年度からは施術協力者に対して施術を行えるような環境を整えた。その結果,対象者同士の臨床では実施できない,施術前の主訴の確認や問診,所定時間内に主訴に応じた施術の実施など,実践に近い形で臨床実習が可能となり,この点については,対象者全員から施術技術の向上に役立っているとの回答を得た。さらに,施術終了後に行っているアンケートは,施術直後にフィードバックが受けられるため,自身の施術状況の振り返りに役だったという声が多かった。また,採用面接試験において,経験者,未経験者ともセンターで臨床実習を行っていると答えられたことは,面接官によい印象を与えられたと答えていた。しかし,施術協力者が対象者の人数に対して不足する状況となることもあり,人数の確保が今後の課題である。一方,就労後の電話,または訪問による聞き取りでは,就労後の施術に関して,現場でのフォローアップを望む声があった。これに対応するため,平成28年度からは担当支援員による実地指導による臨床フォローアップを始めた。これにより,対象者の

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