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図2 臨床実習室図3 実技研修室図4 性別・年齢構成図5 障害程度等級く,また例えば治療院勤務からヘルスキーパーや高齢者施設勤務など,同じマッサージ業務でも職種が異なると施術内容や方法が異なる。そこでセンターでは,施術技術の維持と向上,ならびに職種ごとの留意点やリスク管理を目的として,マッサージ担当の支援員(以下,「担当支援員」という。)のもと,臨床実習を週3日実施している。臨床実習では,①利用者相互による施術,②センターで活動しているボランティアグループ,および近隣の企業・施設の社員・職員(以下,「施術協力者」という。)への施術を行っている。施術協力者には,施術終了後にアンケート方式による聞き取りを行い,その回答内容を対象者にフィードバックしている。センターの施術環境は,臨床実習室として電動昇降式施術台(図2),実技研修室として固定式施術台や機能訓練施術台(図3)を設置するなど,マッサージ業務に就労した際の近い環境を提供している。③ 就職活動支援就職活動支援として,履歴書・職務経歴書作成サポート(以下,「応募書類」という。),面接の練習,面接試験への同行・同席を行った。応募書類では,離職理由,志望動機,および自己PRの記述内容について助言を行った。面接の練習では,想定される質問を基に模擬面接練習を行い,回答および姿勢などについてのフィードバックを行った。さらに面接試験への同行・同席では,視覚障害者は初めての場所に単独で移行することが困難,または非常に負担がかかることがある。その状況を軽減するため,お-3-よび就労後のセンターの支援態勢の説明を目的として,面接試験への同行を実施した。特に,新規マッサージ室開設のための求人の場合は,施術台の選定・購入,リネン類の管理・洗濯,施術料の徴収の有無と徴収方法,施術時間,予約方法と管理,保健所への届出など,開設の支援を行うことも伝えた。3.3 倫理的配慮個人情報保護の視点を十分留意し倫理的配慮を実施した。4.1 対象者のプロフィール平成22年4月から平成29年7月までの対象者数は男性23名,女性7名の合計30名であった。利用開始時の平均年齢は,42.5歳で,40歳以上50歳未満が14名で最も多かった(図4)。障害程度等級は,1級16名,2級12名,6級1名であった(図5)。マッサージ業務での就労経験者は20名,未経験者4.結果

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