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<参考文献>ものを搭載しているが,これだけでは判断しきれない部分が多くある。例えば,相手ロボットと自分のロボットとの位置関係をもう少し的確に判定できないか,自分のロボットが現在土俵上のどの位置にいるのか,等はなかなか正確な判断が難しい。今後そのような状況を判断するためにはどうしたらよいかといった検討が必要となる。当面の課題としては,状況を判断するために自分のロボットが浮かされていないかを検出するセンサを実装し,自分が不利な状況にあるのかを判断できればと考えている。相手に向かって突進して乗り上げてしまうなど,タイヤが完全に浮かされてしまえば,勝つ見込みは非常に低くなってしまう。しかしながら,そのような状況になる手前に,先端が少し浮かされてしまった状態を検出できれば,危険回避のプログラムを組むことができ,動きのバリエーションが広がると考えている。状況判断やプログラムに関してはまだまだ改良の余地はあるので,様々な形状や性能をもったロボット力士に,それぞれ対応できるように作りこんでいく必要がある。相撲ロボットの製作を通じて学んだことは非常に多く,これまでの経験を学生指導や今後の総合制作実習に活かしていきたいと考えている。相撲ロボットの製作には,機械加工,電子回路,プログラミングと多くの技術要素を必要とする。そしてその成果として大会に出場することで達成感が得られるテーマである。実際の大会に出場し,試合に勝つことを目標として製作を行えば,学生のモチベーションの維持にもつながり,結果として自分たちが製作したもの(製品)の客観的な評価も得ることができる。大会の開催目的にもあるように,「ものづくり」の楽しさを知ってもらうことを念頭に置き,今後もチームとして良い結果が残せるよう指導していきたいと考えている。-45-(1)全日本ロボット相撲大会 http://www.fsi.co.jp/sumo/(2)楢原康弘:自立型相撲ロボットの製作,東海職業能力開発大学校紀要,第20号,pp.7-10(2013)(3)木嶋泰道:優勝ロボットを解剖しよう,第22回全日本ロボット相撲大会自立型「六次元K」~運動解析から始めるロボット設計手法,ROBOCONMagazine,2011年5月号8.おわりに

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