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図5 制御回路基板図6 モータ駆動回路基板(モータドライバ)動としている。また減速比は,約7:1としている。ブレード台は,本体と柔らかい素材で接続されており,土俵表面上の細かい凸凹に対して先端が密着するように調整している。4.2 電子回路電子回路基板は,マイコンを搭載した制御回路基板(図5)と,モータ駆動回路基板(モータドライバ)(図6)の2枚で構成されている。制御回路基板に搭載されているマイコンはルネサスエレクトロニクス社製のSH7125Fを使用している。その他,マイコンの周辺回路としては,プログラムを切り替えるためのスイッチや,プログラムの動作状況を判断するためのLEDなどが基本的な回路として配線されている。また,各種センサ回路,赤外線リモコンの受信回路等が搭載されている。モータドライバは,MOS-FETを使用したHブリッジ回路を製作している。MOS-FETは,モータに流れる大電流を制御しなければならないため,選定には充分な配慮が必要である。製作したモータドライバは,電流容量を上げるためにMOS-FETを2個並列に接続している。他にもモータ電流を検出する電流センサや,過電流で回路を遮断するヒューズが組み込まれている。-42-4.3 バッテリーバッテリーはマイコン部を含めた制御回路で使用する制御用バッテリーと,モータを駆動するために使用する駆動用バッテリーの2種類を使用している。制御用バッテリーはリチウムポリマー(LiPo)バッテリーを2セル使用している。LiPoは1セル当たりの公称電圧が3.7Vであるので,約7.4Vを制御回路に印加している。駆動用バッテリーはリチウムフェライト(LiFe)バッテリーを9セル使用している。LiFeは1セル当たりの公称電圧が3.3Vであるので,約29.7Vをモータに印加している。4.4 センサ相手を検出するセンサとして,パナソニック社製のMAモーションセンサを9個使用している(図7)。相手の位置を的確に検出するためには,できる限り多くのセンサを搭載することが望ましいが,寸法に納まる範囲でしか使用できないうえに,センサが多くなるほどプログラムの処理が複雑になる。また,センサがある箇所には,外装の塩ビ板に穴を空ける必要があるため,相手から検出されやすくなる。よって,センサの配列なども含めて充分に検討する必要がある。白線(俵)を検出するセンサには,浜松フォトニクス社製の光変調型フォトICと赤外LEDで自作したセンサをロボットの四隅に配置している(図3)。ロボットが高速化するほど,白線センサの応答速度が重要となってくるため,センサの反応速度を考慮した選定が必要となる。相手を持ち上げた状態を検出するためにCdSを用いたセンサを自作し,ブレード台に左右2個組み込んでいる(図7)。相手が来るのを待つ戦術を選択したとき等は,相手が自分のロボットに乗り上げたことを検出し,攻撃に移るタイミングを計るために使用する。相手との押し合いになった場合,過負荷の状態が継続すれば,モータや回路,バッテリーから出火する恐れがあるため,過電流を検出する必要がある。モータに流れる電流を検出する電流センサを回路に

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