3/2017
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写真12:仮設住宅(写真:角本)写真13:仮設集会所と生活相談室(写真:角本)大変なものがあると思われるが,人助けやボランティア精神が裏付けにあって,成立している世界であると受け留めた次第)その時の見学者からの質問で,Q:就労支援については,如何か。A:自立支援である。これはとても大切な事で,そこに信頼関係が必要である。一つ目は,作業所へ行く人。そこに世話人が居て,継続的に世話をする。セーフティーは,生活保護を受けているが,既に,仕事を持っている。二つ目は,セーフティーアパートの人の場合には,既に仕事を持っている人や生活保護をもらっている人などが居る。三つ目は,こう言う仕事が出来る等,利用者の能力を把握する必要がある。無闇に,行かせるのは,長続きしない。Q:その適性を,どのように把握しますか。A:適性を見るには,それには,カウンセリングが必要である。ここの仙台の施設には,障がい者の適切なカウンセラーは居ないが,精神保険福祉士の資格者は居る。相手の本音を聞き届けられる人材が不足している。今後,大事な要素になって来る。世話人さんが,日々接していると判る。スタッフ会議で,そういう話しを聞いて,情報を共有することは大切である。世話人さんの育成,カウンセラーの育成が大切。ものすごくパターンが多いので,型に入らない。サポーターにとって大切なのは,信頼関係が築けるかどうかである。精神の人は,感性は鋭い。障がい者と言う先入観をすて,観察と対応力で接するのが大切である。施設の準備としては,今ある建物資源を改修するのが良い。その際に重要なのは,皆が出会える共有室の設定が大切である。ここが互いのコミュニケーションを図れる場となる。食事を共にする事なども,大切な一つのきっかけとなる。其処へ行きたくなる様な部屋,老人にはレトロな木と畳と卓袱台など。Q:最後に,ここの寮母さんに伺いました。“何か大切に考えてらっしゃる事は,何ですか。”A:その問いかけに対して,“皆さんが,自立して,-22-幸せになって欲しいです。”とのお答えが返って来た。成る程なと,思った次第である。日本のこの国に住む我々は,その置かれている地理的条件から,地震や津波による被害が予測され,又,昨今は地球温暖化の影響もあり,集中降雨や線状降雨帯による,花崗岩質の真砂土による斜面での土砂崩壊などに見舞われ,この頃頻繁に,一時避難や仮設住宅での生活を余儀なくされる事態が生じている。この観点から,先の東日本大震災の折りの千葉県旭市の仮設住宅の調査の一環で,そこに入って高齢者の方々の生活相談にのって居られた生活アドバイザーの方から伺ったお話し(時期:2012年12月18日)を,一つの道しるべとして紹介したい。ここの仮設住宅(写真12参照)は,当時,旭市の公園敷地内に建てられていた。仮設の集会室(写真13参照)であり,表には「生活相談室」の看板が掛けられていた。ここの仮設施設の設置期間は,平成27年度末までであった。仮設住宅内の生活相談室(窓口施設:海匝(そう)センター)でのヒアリングであり,事前には,責任者の方のご了解を得て,このヒアリングを実施させて頂いた。この福祉系の施設スタッフの方々は,生活アドバイザーとして,仮設住宅の中の住民の方の3.被災者の生活支援について

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