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元々が小学校なので,スペースは広くあり,食堂スペース(写真02参照)なども充分に広い。色々な方が入所されて居られるので,部屋の扉の色(写真05&06参照)なども,敢えて違えて有る。施設内では,通所の方も含めて,色々なイベント(写真07&08参照)が計画されている。小学校当時の名残り(写真04参照)などは,其の儘の形で残されている。我々が見学させて頂いた日は,校庭で少年野球チームが練習をしていた。とても温かい施設長の方の案内で見学させて頂いて,とても良く理解する事が出来た。2.2 高齢者や障がい者の支援施設これは日本建築学会の高齢者・障がい者居住小委員会主催の見学会(2012年8月7日(火)実施)において,仙台における“NPO法人みやぎこうでねいと”の手掛ける,就業支援のための住まい確保に関する取り組み事例である。今現在も障者福祉施設及び障害者就労に関する総合支援を行っている。見学準備資料よりの施設に関する説明は以下。授産施設,福祉作業所等の,その特徴を活かした生産物の製造及び販売に関する活動を通してより広く地域との交流を推進し,地域社会とのふれあいの中で,障害者が社会の一員として生きて行けることを支援するとともに,健全な施設運営の為の財政面での補足に貢献することによって,障害者の社会的自立を地域参加の形で応援することを目的とする。その達成の為,次の特定非営利活動に係る事業を行っている。①障害者福祉施設で生産・販売するための仕入れ・販路についての紹介,②障害者の雇用に関する理解と協力の推進,③障害者施設間の交流に関する協力とその推進,④その他目的達成の為に必要な事業と述べられている。このNPO法人の責任者の方からのヒアリングの内容から以下。この代表の方は,平成9年(1997年)に事業を始められて,その時の商品サンプルを造るのに,障がい者の方々にお願いしたのが一つの切っ掛けになったとの事である。そして,平成15年より,ニートサ-20-ポート事業を始められて,そこから障がい者の就労支援のためのサポート事業,自立の先がけ,住むところの確保をお手伝いする事業となったとの事である。当時は,未だ偏見もあり,中々,住まいを確保出来ない実態があった。自立の先がけとして,住む所がないと働けない事情があった。当初は,紹介業務でも良いと思っていたが,窓口担当者が,良いと思っても,大家さんに断られるケース等もあったので再考する事となった。最初の頃に,障害の人でも入居大丈夫ですと呼び掛けたら,その手持ち物件15件が,1週間で埋まってしまったので,ニーズがあると思ったとの事。以前は,グループ・ホームとケア・ホームとは,障がい者の方のその程度に応じて,段階0~1はグループホーム,段階2以上はケアホームであった。それが,自立支援法以降は,一体型が可能となった。平成17年(2005年)に,入居サポート事業を開始(障がい者入居サポートセンター開設(県委託事業))。そこで大家さんと,直接に,交渉した。平成19年(2007年)に,共同生活援護・介護事業 グループ・ケアホーム「ファミリアハウス」事業開始。平成19年以降,2ヶ所で開設。定員30名/所×2ヶ所=計60名。平成20年(2008年)に,障がい者居住サポート事業「賃貸入居サポートセンター」開設。入居サポート事業としては,グループホームを手掛けており,知的障がいや精神障がいを抱えて居られる方々が対象となる。それ以外の人としては,住まいが定まらない人やご両親がご高齢の方々などが居られる。戸籍がない人,記憶のない人や精神的ショックを受けた人なども,生活保護が受けられるので,対象者に成り得る。生活保護を受ける中から,諸費用を負担している形である。基本的に,個人からの問い合わせは,受け無いとの事で,入居希望者は「相談シート」を持って来る(役所や病院などから),公的な窓口からの相談者を受け付けている。このNPO法人が管理する支援施設を,見学した。

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