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また,本訓練においては,全体の訓練がリンクされる。課題を組み込む時に,文書資料にワードファイル,データ処理にエクセルファイル,また,プレゼン資料にパワーポイントファイルを組み込み完成する。課題は毎時間更新するため,ファイル量やファイル数が増えていくため,どのように保存しておけば効率的にファイル処理が出来るかなど,ファイリングの知識も身についていく。5.2 ナレーション作業を取り入れた授業ナレーション機能を取り入れた表現力の育成授業の手順は,文章入力練習で作成したファイルをパワーポイントのスライドに組み込み,文章をイメージする絵を挿入する。ビデオ編集ソフトを利用し,完成したパワーポイントのスライドをキャプチャーしながら文章を流し完成させる。プレゼン資料に自らの声でナレーションをいれることで,声の大きさやタイミングを調整することに合わせて,パワーポイントファイルに自分の声が入るリアリティーが学習への意欲を前進させている。何度もタイミングを計り流し込むことにより,自分の声を出す恥ずかしさが軽減され,積極的に取り組む姿勢へと変化していった。1)実習時に必要となる機器操作PCとヘッドセット,パワーポイント,ビデオ編集ソフトを利用した。音声編集ソフトはカムタジアスタジオを利用した。カムタジアスタジオは基本操作が3ステップのみであるため,繰り返し何度でも自分で納得のいくまで録音ができる。2)発生練習声を出す練習においては,まず恥ずかしさを取り除くことが大切であり,PCに向かって話すことに慣れていないため,多くの時間を要した。また,ヘッドセットを利用した場合どの程度の大きさで話せばきれいに録音できるか各自が実験を行いながら,自分の声の大きさと機器との距離を検証するため,演-10-習全体の約7割の時間を要した。発声や滑舌の練習では,背筋を伸ばし,口角をあげ,声はやや高めに,話すスピードをやや速めに録音するようにした。口角をあげることにより表情が笑顔になり,自然と前向きな気持ちになれるのである。3)表現練習練習課題は3つのセッションからなっている。第一セッション:読む第二セッション:感情を込め最後まで読む第三セッション:タッピングを使って読む3つのセッションを通じて注意したことは文章を丁寧に読み込み,言葉の意味を深く理解することである。第一セッションでは,はっきりゆっくり読む練習を行うために,200文字程度の文章課題を10セットクリアする。200文字の文章には言葉のキーワードを2つ組み込み記憶しやすいものを準備した。また,各自が現在最も興味のある2つの言葉を選び200文字の文章を作成する演習を加える。第二セッションでは,第一セッションの内容を用い,さらに語り掛けるイメージを加え,最後まで間違わないように,感情を込めて読み終わることを目標とした。上記に述べた発声練習の効果を組み込み,特に緊張する場面であることから,各自の作業時間を大切にしている。第三セッションでは,タッピングを取り入れた。タッピングは,文章の読み始め,さらに途中の段落の区切りを,合図するために,またタイミングをとるために大きな役割を果たす。2014年度の実験では,音読にタッピングを組み込むことにより,完成度が1/3に短縮され大きな成果をあげている(6)。4)表現力を確認パワーポイントファイルを活用するなかで,マルチメディアを「メッセージや情報を受け手に伝えるために,テキスト,画像,音声,ビデオなどのさまざまなデジタルメディア形式を組み合わせて統合した,多感覚応用のインタラクティブなアプリケー

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