2/2017
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時は最大9mの津波が襲い建物流出と400人を超える死者・行方不明者の被害(浸水1万1千戸,3万2千人が被害)(3)を出し,道路の不通,大規模断水,ガソリン・食料・物資不足などにより200か所の避難所に約2万人が避難をした。農林水産業やものづくり関連企業への被害も大きく,工場を閉鎖したところもある。同市の60kmにわたる海岸線は,防波堤工事・かさ上げ工事・高台移転工事等が行われており,震災復興住宅が逐次完成している状況である(写真1~5参照)。(2)原発被災自治体(行政機関)の受け入れ福島第1原発の避難地域となっている双葉郡の町民や行政機能がいわき市内に移転をした。原発事故後6年が経過し双葉郡の各自治体の役場機能は順次元に戻っているが,今も双葉町(平成25(2013)年6月に埼玉県加須市から移転)(注1)・富岡町・大熊町・-38-楢葉町の役場や商工会の出先が存在している。原発事故に起因して,いわき市という行政区内に他の自治体機能が複数存在するといった他の地域では考えられない複雑な様相を呈している(2)。(3)原発避難地域からいわき市への居住避難指示が出された,双葉町,広野町,浪江町,大熊町,富岡町,楢葉町等からのいわき市への避難者は約2万人強といわれ,同市の平地域を中心に22写真1 震災前から変わらない塩屋埼灯台下の 市内観光案内図写真2 津波による死者数が最も多く震災前は 住宅街であった薄磯地区(塩屋埼灯台から撮影)写真5 高層復興住宅(旧雇用促進住宅)写真3 薄磯地区の整備工事の状況写真4 津波被災者等の復興住宅

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