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図6 運指部の外観図7 擦弦部の外観図図8 擦弦部の仕組み【音源部】 ・MIDI音源を採用する ・ 外部のMIDI音源でも,内部のMIDI音源用ICでも音の出力が可能 ・ 音源によって仕様が異なり音色や挙動に変化が生じることがあるため複数の音源を用意し動作を試す必要がある3.2.1 運指部の詳細運指部は左手で弦を押さえ主に音程を調整するための部分である。「どの弦の,どこを押さえているか」を検知して連続的な情報を求められる。また,途中に引っ掛かりがない滑らかな表面で,チェロの指板長である600mm程度の長いセンサが必要とされる。そこでSparkFun社の感圧式接触位置センサ「softpot」500mmを採用した。図6に運指部の外観を示す。また筐体のネック(指板)には接触位置センサ4本分を張り付けられるだけの幅が必要である。チェロのネックに近づけるため,センサの不必要な部分を切除し機械的限界まで幅を細く加工した。3.2.2 擦弦部の詳細擦弦部の外観を図7に示す。擦弦部は右手に持っ-54-た弓で扱い,主に音量と音の響きを司る部分である。弦楽器の世界では「芸術は右手から生まれる」という言葉があるように擦弦部は重要な部分である。検知するにあたり応答性が速いこと,下方向の圧力を検知することを満たすため,圧力センサを用いた。チェロの弦を擦る位置とほぼ同一にレバー状の可動板を4つ配置しそれぞれの先に圧力センサを設け圧力を検出する擦弦センサユニットを製作し筐体に組み込んだ。ユニットはレーザーカッターで加工したアクリル材で構成されており,テコの原理で下へ押し,各弦にそれぞれセンサを配することで1弦ずつ独立して検知が行える。図8に擦弦ユニットの外観と詳細を示す。圧力センサには動作圧力が適切であること,サイズが小さいことからINTERLINKELECTRONICS社の

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