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図2 地震回数(4/14~4/17日10時)図5 外壁のヒビ割れ(実習棟C出入口)図3 梁の支承部破損(体育館)図4 本部棟玄関の大型ガラスの破壊に囲まれた地域にある(図1)。周辺には名高い企業が数多く進出しており,自動車メーカーや家電メーカーに大きな打撃を与えた。地震直後,実際に,本校周辺の通勤ラッシュが一時的になくなったことなど,産業界に与えたであろう影響を肌で感じることとなった。地震後数カ月を経た現在,外観は平常を取り戻しているが,工場内においては完全な復旧に至ることなく生産は続けられている。2.1 地震の発生状況熊本地震の特徴の一つに「余震」が上げられる。図2のグラフは,14日の前震以降(16日の本震含む),17日の10時までに震度1以上を観測した地震の回数を示している(縦軸に回数,横軸に日時)(5)。回数の合計は410回,計算してみると約9分に1回の割合で地震が発生していたことになる。しかも2度の震度7の他に震度6の余震も数回発生していた。震度は熊本地方,阿蘇地方,大分県西部,大分県中部で観測されたものであるが,菊陽町の位置から考えると本校で受けた地震もほぼ同じようなものであろう。2.2 本校の被災状況(6)本震直後に把握した本校の被災状況を報告する。まず,学生の被災状況について早急に安否確認を始めたが混乱は免れなかった。前震の時,本校から比較的近い距離のアパートで暮らす学生たちが校内に避難してきたように,学生たちの居場所は特定されているわけではなかった。最終的には全員と連絡が取れ,安否確認を完了することとなるが,予想以上に時間を要した。概ね1週間を経て,幸いにも全員の無事を確認することができた。-36-本校の建物については主に体育館,校舎(本部棟,実習棟),外壁,通路などが部分的に被災した。図3は体育館の天井部分を支える梁の支承部が破損しているところを示す。安全性の確認がとれるまでは体育の授業等での使用を禁止していたが,10月になってようやく安全性を確認,使用を許可している。図4の写真は本部棟玄関の大型ガラスが破壊したところを示す。ここは本校を訪問する方にとっては最初に訪れる場所であるため,早急に復旧したいところではあったが,業者や資材の確保ができず,長期間の立ち入り禁止を余儀なくされた。修復したの

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