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図2 実験回路図3 実験1における信号の流れ図4 実験1における内部信号波形号を分岐させ,XOR素子を用いて分岐した2つの信号の一致判別を行う。判別結果は,信号に差異が無いと論理‘0’が,差異があると論理‘1’がそれぞれ出力される。ただし,実際の動作における信号の差異の発生は,短時間の現象であるため,不一致を示す判別結果はパルス状の信号となって現れる。(2)実習の手引き実習の手引きは「指導案」と「実験の手順」で構成される。指導案には実習の流れと指導の要点を記載し,実験における機材や具体的な手順,計測される波形の例などは,実験の手順に記載した。指導案の中に全て記述することが本来の姿であるが,本教材では指導案と実習の手順を分けることで教材の汎用性が高まり,本教材の実験を他のカリキュラムや実習に適用しやすいと考えた。(3)実験回路図実験回路の回路図であり,回路の動作を説明する際に用いる。2.2 教材の適用実習の手引きにある指導案に基づいて実習を進行し,その中で5つの実験を行う。各実験の前には,実習の手引きにある実験の手順に基づいた説明を実施する。各実験は小規模であるため比較的短時間で実施可能である。各実験で得られる結果は,実習の中で動機付けや提示される理論の確認となり,信号品質に関する説明を補助する。各実験の具体的な内容については次章で述べる。2.3 学生用の実験手順書が無い理由実験形式の実習では,学生は再実験とならないように実験手順書に従うことに専念し,その結果,実-12-験を単なる作業としてこなしてしまう傾向が少なからず見受けられる。その結果,自身で実験を行ったにもかかわらず,実験の目的や内容をほとんど理解していないというケースも残念ながら存在する。また,実験手順書がある場合,早い学生は手順書に従って最後まで実験を進めることが可能であるため,進捗の個人差が大きくなることも問題であった。こうした問題を踏まえて,本教材では学生用の実験手順書を用意していない。本教材は各実験の目的と手順がシンプルであるため,実験ごとに指導員が板書で説明することを想定している。さらに,実験ごとに指導員の説明をはさむ事で学生の進捗を揃える意図もある。3.1 実験1実験1では,これまでに学んだディジタル回路技術の確認を行う。図1に示した実験回路のCN1に電源(3.3V)を接続し,方形波(12MHz,3.3Vpp)をTP1に入力して,TP2,3,4の信号をオシロスコープで計測する。信号の流れを図3に,計測される内部信号と出力3.教材による実験

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