4/2016
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写真6 T継ぎ手サンプル図3 溶接担当指導員A図4 担当外の指導員B手の甲を旋回させるヨー角を観測することで作業者の手の動きを比較できることを予測して,Z軸 旋回を測定するため,ジャイロ出力を追加した。T継ぎ手の溶接作業,(入り角の溶接の場合にトーチをローリング,8の字を描くようにトーチを前進させる作業)を製作した装置で評価できるか試みた。(1)溶接実習サンプルSUS304 CP 3.0 mm実習用サンプルを写真6に示す。(2)結果溶接担当指導員A,担当外の指導員Bの2人の溶接作業の手の動きを観察した。プロッター出力を図3,図4に示す。⃝ 青x軸まわり ピッチ角⃝ 橙y軸まわり ローリング角⃝ 赤z軸のジャイロの出力でヨー(センサーの中心まわり軸回転)(3)結果考察①繰返し周期(A 約1.4秒,B 約1.1秒)と差があるが一定の周期で往復運動はできている。②Bさんの場合は滑らかな旋回運動ができていない個所があることが分かる。-34-(4)3D散布図によるデータ表現ローリング動作させたときの手の甲の動きをイメージしやすい表現の一つとして,3軸角度を3D散布図で表してみた。結果を図5に示す。汎用統計ソフトSTATISTICAの3D散布図を使用した。なお,ヨー旋回はz軸ジャイロ出力を使用,データは0.2秒毎のサンプリングとした。(5)定量的なハンドリング評価による効果①可視化により,手首を動かす周期や幅が明確になる。②見えなかった自分の癖に気付くことができる。③訓練生の理想的な溶接スキルへの関心が高まる。データ取扱上の注意!あくまでも手の動きは参考であり,高品質な溶接を行う作業のポイントは溶融池の大きさ・溶け込み等々にあることを忘れてはいけない。

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