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図3 水郷を航行するソーラー和船  (京都新聞社提供)図4 嘉田知事とエコ・ナマズ号で生まれた技術とその応用のみという限定的なものでしたが,多方面からお声をかけて頂き平成23年までの11年間に各種の団体や企業とで10のテーマで産学連携を行いました。代表的なものとして平成15年に近江八幡商工会議所からの依頼で開発した「ソーラー和船」と平成23年に滋賀経済産業協会の依頼で試作した「おうみ発の電気自動車エコ・ナマズ号」が有ります。図3は,進水式当日マスコミ関係者を乗せて水郷を航行するソーラー和船で,開発に関わった女子学生が舳先に乗り案内役を務めています。また,図4は当時の嘉田由紀子滋賀県知事(写真中央)が「おうみ発の電気自動車」に試乗してみたいということで滋賀経済産業協会電気自動車プロジェクトの皆さん共に当校に来られた時の写真です。-18-その他にも企業がお持ちの夢を実現するため,卒業研究や当時は機構の事業として取り組んでいたF方式(事業主団体研究会方式)通してお手伝いさせて頂いておりました。このような事に取り組んでいるうちに各種の団体や企業から「一緒にやってみませんか?とか,意見を聞かせてもらえませんか?」とお声を頂くようになり,ご恩返しの産学連携とは直接関係が有りませんでしたが地域連携室の担当者としてバイオミミクリーやエコ関連の団体に顔を出させて頂き,錚々たる専門家の中で学ばせて頂くようになったのです。バイオミミクリーによって生まれた技術や製品は,我々に身の回りに多く存在します。ここでは「自然から学んだ革新技術」と「自然を活かしたエコ技術」の例を紹介します。3.1 自然から学んだ革新技術3.1.1 ハスの葉の撥水作用を模倣私達の生活で使用されている身近な例として超撥水性を持つ塗料が有ります。ドイツのSTO社はハスの花のナノ構造を真似ることで建築用の外装用塗料を開発しました。蓮の葉の表面を顕微鏡で拡大してみると,表面には大きさが数ミクロンの凹凸があり,更にその表面に数百分の1ミリの突起が均一に並ぶ微細構造となっています。この微細構造により水は潰れることのない丸い球体となり(超撥水性質),更に表面に付いたゴミなどの汚れを取り込みながら流れ落ちていきます。図5はハスの葉とコンピュータグラフィックスで描かれた微細構造で,この構造を模倣する事で撥水作用が生まれたのです。3.1.2 ヤモリとヤモリテープ近い将来私達の生活の中で使用されるようになると思われる面テープを紹介します。私達はヤモリが壁や窓にくっついている姿をよく見かけます。3.身近な革新技術

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