3/2016
30/38

表1 昭和49年当時の訓練区分表2 平成5年当時の訓練区分普通課程は現在144科が定められている。訓練科の名称は,産業構造の変化に伴う数々の変遷を経て現在にいたる。専修訓練課程や高等訓練課程の時代(表1参照)には,254科もの訓練科が存在した。例えば,和文タイプ科やブロツク建築科,電子計算機科の他,“舟艇科”や“航空機製図科”,“がん具科”,“七宝科”,“メリヤス科”,“更生タイヤ製造科”,“乾電池製造科”,“火薬類製造科”等々,多種多様な訓練科が設置された。現在の名称は,平成5年の改正(表2参照)によって整理された。それ以降に科名の変更はない。しかし,訓練内容については常に見直していく必要があることから,毎年厚生労働省において見直しを行ってきた。平成18年度からは,先ず基盤整備センターにおいて見直しに係る調査・研究を行い,その調査結果を厚生労働省に提出,それを基に同省で改正案を作成することとなった。ここでは,基盤整備センター開発部教材開発室において取り組んだ,訓練基準の見直しに係る調査の概要と課題について述べるとともに,全国唯一又は-28-特徴ある訓練科について紹介する。なお,本稿では設置数が少なく,特徴的な職業訓練を行っている科を「希少科」とよぶことにする。普通職業訓練の普通課程は,中学校又は高等学校卒業者等を対象に「職業に必要な基礎的な技術・知識」の習得を目的とした課程である。訓練期間は,高等学校卒業者等を対象とする場合は,基本的に1年又は2年であるが,臨床検査科(設置施設なし)のように3年の科もある。中学校卒業者等を対象とする場合には,2年以上としている。職業訓練基準(別表第二)には,普通課程の訓練科として13分野144科が定められている。図1に代表的な訓練科を示す。現在,都道府県立の職業能力開発校が161校,企業・団体等による認定職業能力開発校(認定校)が1,131校設置されている。認定校の中には,休止中の施設や科もあるが,時計修理科や鉄道車両製造科,食肉加工科等のように全国唯一の科として存在感を示している科もある。1.はじめに職業能力開発総合大学校基盤整備センター開発部教材開発室2.普通課程とは普通課程の職業訓練基準と希少科の紹介

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る