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滋賀職業能力開発短期大学校(以下,「滋賀職能大」)の電子情報技術科では,卒業研究・制作に相当する科目である総合制作実習のテーマとして,毎年,ものづくり関連の競技会へ積極的に参加している。年度ごとに順位が上がることを目標に,学生が習得した回路設計・製作からプログラミングまでの知識や技能を生かすとともに,すでに社会人として活躍しているOBたちとも係わる中で,主体的な行動力やコミュニケーション能力を学ぶことができる。さらには,就職活動の中で学生時代一生懸命取り組んだ事として,競技会への参加がアピールできるなど,学生にとっても多くのメリットがある。継続して参加する大会に関しては,前年度の引き継ぎ事項を元に(Plan),大会に向けて4月から準備を行い(Do),大会にて結果や課題を確認し(Check),改善を実施し(Action),年度末の総合制作発表会に向けて次年度何をすべきか(Plan)をまとめ,PDCAサイクルの中で製作活動を行っている。また学生募集においても,全国の職業能力開発大学校・短期大学校の中で,競技会参加数日本一の科としてアピールしている。本稿では,滋賀職能大の電子情報技術科として昨年度取り組んだものづくりに関する大会について報告する。滋賀県は日本のほぼ中央にあり,北は福井県,東-9-は岐阜県,南東は三重県,西は京都府と接している。また,まわりを伊吹,鈴鹿,比良,比叡などの山々に囲まれ,中央に県の面積の約6分の1を占める日本で一番大きな湖「びわ湖」がある。びわ湖に流れこむ川の数は,大きな川だけでも120以上もある。びわ湖に対する環境保全の関心が強い土地柄であるため,再生可能エネルギーとして太陽光発電や省エネを意識した総合制作実習のテーマ設定として,平成4年4月開校当時の電子技術科からソーラーカーレースに取り組んでおり,OBたちも積極的に関わってきた。ソーラーカーレースへ20年以上取り組んできたこともあり,電子情報技術科に変わった今でも太陽光エネルギーに関連する各種競技会に継続して出場している。3.1 大会概要この大会は太陽光パネルから得られる電力をエネルギー源とした電気自動車のレースである。三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにおいて,フルコース5.807kmを使用し,8月の第1金曜日・土曜日に,二日間の日程にて開催される。今年度は8月5日が車検・フリー走行,8月6日が耐久レースとして開催された。大会では,使用できるパネルの発電量とバッテリーの種類により,オリンピア,ドリーム,チャレンジ(5時間耐久),エンジョイⅠ・Ⅱ(4時耐久)とクラス分けされ,時間内で走行した周回数を競う。競技規則で規定された二次電池を満充電した状態からスタートし,ドライバー交代が最低1回以上義務付けら1.はじめに2.背景とこれまでの経緯3.ソーラーカーレース鈴鹿ものづくり競技会への継続的な参加について滋賀職業能力開発短期大学校 齋藤 公利太陽光エネルギーに関連した

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