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本社事務所(広島県福山市)さらなる促進のため,平成27年6月11日に福山商工会議所で「『ジョブ・カード制度』企業説明会」を開催しました。同説明会では深江特殊鋼株式会社の木村雅昭代表取締役に「ジョブ・カード制度を活用した正社員登用について」をテーマとした事例発表をしていただきました。続く3章では,この事例発表を広島県地域ジョブ・カードセンター事務局がとりまとめたものをご紹介します。3.1  深江特殊鋼株式会社について深江特殊鋼株式会社(以下,3章では当社という)は,昭和34年6月に特殊鋼の専門商社として創業し,昭和39年11月に現在の株式会社としてスタートしました。福山市の本社のほか,3つの支店(東大阪市,岡山市,東広島市)と2つの営業所(神戸市,四国中央市)があります。社員は113人で,このうち,男性が75%を占めます。創業時から1980年代にかけては,営業所の開設や-33-切断センターの建設などの量的拡大を図り,1990年代には取扱商品を広げて「特殊鋼のコンビニ化」を図りました。バブルがはじけた2000年以降は,「物づくり商社」に転換し,加工品に力を入れてきました。現在,お客様は1,500社あり,この全てが物づくりを行っている企業です。当社の仕事量が多く,対応しきれないお客様に対しては,適切な会社を仲介しています。当社では,「流した汗を成果に」ということを大事にしています。流した汗と成果が結びつかない人や適性を発揮できない人が大勢いる世の中ですが,社員の適性を見極めて,成果に結び付けられるようにしてあげるのが経営者の役目だと考えています。ビジネスコンセプトとしては,「『造る』だけじゃない! 『売る』だけじゃない!」ということを掲げています。具体的には,お客様とともにグローバル競争に勝ち抜く「物づくり商社」と,全ての社員がプライドを持って働けるような理想的な工場にしようということです。3.2  制度活用のきっかけと目的ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を知ったのは,ハローワーク福山の職員の方から紹介されたのがきっかけでした。併せて,広島県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方も紹介されましたので,当社への訪問を依頼し,制度の仕組みや手続きなどについて説明してもらいました。この説明を聞いたところ,①当社独自の教育プログラムの作成に対し,制度普及推進員の方に支援してもらえる,②有期実習型訓練の終了後には,国から助成金が支給されるので,経費負担を軽減できる,③OJT(実習)とOff-JT(座学等)を組み合わせた教育訓練を実施できる,④有期実習型訓練を活用した教育訓練は,人材育成に非常に効果がある,ということが分かりましたので,優秀な社員を育成するために実施することにしました。3.3  具体的な取組内容当社での有期実習型訓練は,9人の有期契約の社員を対象として,営業コースと営業業務コース,製3. 深江特殊鋼株式会社の取り組み   (代表取締役木村雅昭氏の講演より)

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