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「ジョブ・カード制度」企業説明会チラシ広島商工会議所 今村 榮一広島商工会議所では,平成20年6月から日本商工会議所より業務委託を受けて,「ジョブ・カード制度推進事業」に取り組み,平成28年度で8年目を迎えました。この間,全国112ヵ所の地域ジョブ・カード(サポート)センターの商工会議所では,中小企業での人材育成・確保に向けた取り組みを支援するために,ジョブ・カード普及サポーター企業を開拓しました。そのうち,雇用型訓練の実施を希望する企業に対しては,訓練カリキュラムや評価シート,申請書類の作成,助成金の支給申請に当たっての支援を行ってきました。広島県福山市に本社を構える深江特殊鋼株式会社は,平成26年度にジョブ・カード制度を利用した「有期実習型訓練」を実施することにより9名の正社員を登用するに至りました。本稿では,その正社員登用までの取組みについて報告します。現在日本ではパートやアルバイトなどを含む非正規労働者の割合が毎年増加しています。日本における非正規労働者の割合は1984年の15.3%から2014年には37.4%まで大きく上昇しており,いまや労働者の3人に1人以上が非正規労働者として働いています。一度,非正規労働者として働くと,長期間にわ-32-たり非正規労働者として働き続ける可能性があることが問題視されてきました。この状況を打開するために,フリーターや子育て終了者等非正規労働者が企業との雇用関係のもとで3ヵ月以上6ヵ月以下の期間で職業訓練を実施することにより正社員登用へとつなげる制度があり,これを「有期実習型訓練」といいます。平成20年から平成28年2月末現在での活動実績は,雇用型訓練を終了した54,481人の81%に相当する44,030人が正規雇用者として採用されました。広島商工会議所に設置している広島県地域ジョブ・カードセンターは,ジョブ・カード制度利用の1. はじめに2. 「ジョブ・カード制度」とは―伸び代重視の採用で,輝く人財を確保―ジョブ・カード制度を活用した正社員登用の取り組み

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