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図2 インターンシップカリキュラム受け入れの時期や体制の問題もあるが、地域の若者の職業教育の場の提供という地域貢献と、参加学生はもちろん教職員を通じた学生への情報提供の可能性を鑑みると、インターンシップの実施のメリットは大きいと思われる。ここでは平成27年度に島根支部で取り組んだインターンシップについて紹介することとしたい。2.1  参加者の募集島根県内では財団法人ふるさと島根定住財団(以下「ジョブカフェしまね」という)が学生募集を行っている。ジョブカフェしまねでは夏期と春期に受け入れ事業所を募集し、学生とのマッチングをしており、平成27年度もジョブカフェしまねが募集するインターンシップ事業を通して参加者を募った。同インターンシップ事業の登録事業所は民間企業が多数であるが、島根労働局、島根県、松江市などの公的機関もこれに参加している。2.2  インターンシップ受け入れ計画受け入れ期間は概ね7月から9月の学生の夏休みの期間の中で、受け入れ側が希望の期間をジョブカフェしまねに登録する。当支部では平成27年度は9月3日(木)〜9月9日(水)とし、9:00〜16:30の時間帯で受け入れることとした。参加学生は次のとおりであった。島根大学3名、安田女子大学1名、関西大学1名、松江工業高等専門学校1名 計6名参加(うち女子は2名)県外の学生は島根県出身者で、夏休みの帰省時に島根県内でインターンシップに参加する希望がある学生であった。2.3  カリキュラム当支部では平成25年からインターンシップを実施してきたが、本年度も従来どおり5日間の日程とし、目標設定(事業構想)、情報収集、ディスカッション、資料作成、部門調整、発表の流れ全体を参加者が主体的に行う構成とした。-37-この手法は平成25年度、平成26年度ともに実施・検証しているが、参加者や発表会参加者の評価も高いものであり、今年度も同様の手法によることとした。学生が島根支部に新規採用された6名であるとの架空の設定を行い、求職者支援課の課題解決プロジェクトに参加することとなったという設定で行った。これは、企業の中には新入社員に商品開発や会社設立といった架空の体験を通して学ぶ研修を行っているケースも見られるためである。入社2年目の社員が直属の先輩として、参加学生の質問に答えるといった形で接する。学生は時間の無い中で聞きたいことを上手く聞くことを学ぶ。また、指導者側も架空案件ではあるが、後輩への指導体験ができるメリットがある。本インターンシップでは、外部の教育機関を訪問してヒアリングを行うが、ヒアリングに必要な準備(課題に対して論点整理、仮説設定、質問項目確認など)は参加学生がすべて行う。中間発表では課内の職員が参加し、これまでにない違った角度から質問や指摘を行い、学生は改善や2. インターンシップ実施概要(平成27年度)

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