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図3 汎用旋盤技能習得コース図4 ものづくり体験館内の展示講師には、汎用旋盤作業の熟練技能を有した企業OBを招き、切削作業の見本を示しながら長年培った勘とコツを丁寧に指導されます。汎用旋盤での切削加工が初心者である受講者は、普段経験していない作業に当初は戸惑いながらも、日増しに腕前を上げていく様子が見受けられます。講座後のアンケートでは、・分からないことだらけだったが、作業をやっていくうちにできるようになった。・汎用旋盤での加工の重要性が身に染みて分かった。・会社で先輩たちが仕事の話をしているときでも、その話題について行けるようになった。などの回答を得た一方で、・講座日数を増やして欲しい。・学科もあれば受講したい。などのご要望もいただき、今後の講座運営にも反映させていきたいと考えています。将来の進路を考える上で重要な時期となる中学生等に対し、ものづくりへの関心を高め、職業としてのものづくりの魅力を伝えるため、職業教育の一環として、本格的なものづくり体験の機会と場を提供する施設として、平成25年1月に新たな施設として整備されました。当体験館は、非常にユニークな構造で、5階建てコンクリート造の外観は、ものづくり現場を感じさ-34-せる「道具箱を積み重ねたイメージ」となっています。また、建物内部も建築素材を大胆に使用し、ものづくりを感じさせる工夫があふれています。1階の展示学習スペースでは、「兵庫が誇る多彩なものづくり」、「家づくり」、「服や着物づくり」、「料理や菓子づくり」、「暮らしの中に活きる技」を体感できるモノを展示し、できるだけ自由に触れることができるようにしています。図4に館内の展示の一部を示します。2階から5階までは、体験学習や体験講座を実施する際に使用する8つの工作室(調理室、被服室、金工室、木工室等)とオリエンテーションルームを備えています。それぞれの工作室は専用の工具、用具を備えており、様々なものづくりが体験できます。当体験館では、ものづくりの奥深さ、楽しさを理解していただくため、主に以下の2つの事業を実施しています。(1) ものづくり体験学習県下の優れた技能者の中で技能の伝承及び後継者の育成に熱意を持つ者を兵庫県では「ひょうごの匠」に認定しています。ものづくり体験学習は、その「ひょうごの匠」やものづくり企業のOB等の熟練技能者が講師となり、表3に示す48プログラムを用意して、中学生(基本的に学年単位)が本格的なものづくりを体験するものです。平成26年度には、県内各地の中学校のうち110校13,306人の中学生がものづくり体験学習に取り組みました。本年度も110校からの申込を受けており、33. ものづくり体験館

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