1/2016
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課題発表会にてて、「以上をマニュアルに仕上げ提出せよ。」との指示が飛ぶ。始めてであっただろう。何も無いところから自分たちの学ぶ環境を構築する。何十メートルのケーブルなど敷設したことのない学生達が、先生の指示を頼りに何とか対応する。自分たちが行ったことは日報に書く。マニュアルを作る。ビデオに残す。これまでの学校で経験したことの無い体験がセンセーショナルだったようだ。情報通信サービス科の一期生が、あと数カ月で修了する。今、学生達に問うてみた。「どうやった?この科での勉強は?」すると、「何でもやらせてもらえて楽しかったですよ!」「機材なども自由に扱わせてもらえて、面白かったです!」との答えが返ってくる。この流れは、二期生にも続いていく。二期生では、-31-入校者のうち3名が女性である。情報通信サービス科のポリシー&訓練内容は、ポリジョと称される能開大女子にもベストマッチかもしれないと考えている。平成28年度は3期生を迎える。京都の北部は「海の京都」を合い言葉に、これまでのムードを払拭し、観光と商業、ものづくりの各産業それぞれが、持ち味を生かせるように産官学が一体となった動きを加速させている。これらのベースはICTであるが、残念ながらこのことが、都市部に比した地方の弱みとなっている。地域密着型の情報通信サービス科は、これまで都市部に依存していた分野を強化することができるとの大きな期待をいただいている。その大役を担っていることを再認識し、地域の核となり活躍できる人材を育成している誇りと責任をもって、次代を牽引できる実践技術者を養成していく所存である。情報通信技術は、今とこれからの基盤系技術である。京都校では、これまでのものづくり系の科にその基盤を強化する情報通信サービス科を開設することで、産業のベストミックスを実践することできるようになった。地方都市故、ICT系の企業は多くはない。それ故、求められる人材は、それらのみをカバーする人材ではなく、幅広く様々な分野の展開をサポートできる技術者となる。京都校での専門課程活用型日本版デュアルシステム訓練が育成する実践技術者は、技能と技術のみに留まることなく、企業内でのコミュニケーションの核と成り得る人材でなければならない。スタッフ一同このことを肝に銘じて、一から作り出す自らの環境、不具合を自らが修正できる専門知識・能力、サービスの心意気を大切に、応対者の満足を得られる行動ができる実践技術者の育成を行っていきたい。11. おわりに

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