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表1 金属プレス加工業における製品販売額地方における製品出荷額の割合はどうか?・輸出入、製品出荷額において、日本のものづくり分野を牽引する産業に着目② 中小企業が多くかつ、ものづくり分野を牽引する産業と関わりの深い業種は何か?・金属プレス加工業の人材育成に着目大阪府は、日本のものづくり分野を牽引する産業である自動車、電機産業との関わりが深く、電気機器を主力とするパナソニック、シャープ等や、自動車製造業のダイハツ等の大企業の発祥地かつ本拠地である。一方、金属プレス加工業は、これらの大企業が行う製品製造を部品供給の立場から下支えしている。また、金属プレス加工業は、表1のとおりこれ以外にもきわめて多くの産業や製品製造分野とサプライチェーンを形成しており、需要先のニーズに応じた多種多様なプレス加工部品を生産している。さらに、金属プレス加工業の業態は、小規模事業所が多いため、自社単独での人材育成が困難であり、今後、高度な技術力に加え、製造現場における課題解決能力やマネジメント能力をあわせ持った企業の中核となる人材が不足することが見込まれている。そのため、これらの人材育成が大きな課題となっている。-18-以上の検討結果を踏まえ、在職者訓練の開発分野として金属プレス加工業を選定した。この選定結果を受けてポリテク関西に「(一社)大阪金属プレス工業会様との共同作業による人材育成研究会」を設置し、人材育成の支援に着手した。1年目の事業としては、当該団体が抱える人材育成の課題把握に向けたアンケート調査及び在職者訓練コース開発の準備として職務分析結果を体系的に整理した職業能力開発体系の作成等を行った。4.4  在職者訓練のコース開発と実施人材育成研究会において、次の人材育成ニーズを把握することができた。① 製造ラインで働いているが、品質管理について体系的に学んだことがない方のための品質管理に関するコースの開発。② 今後金属プレス加工業において導入が進むと考えられるサーボプレス機に関する技術講演。このニーズに基づくカリキュラム案は、ポリテク関西が素案を作成し、在職者訓練部会委員の意見修正を加え、人材育成研究会での確認・承認を経て、次の訓練計画で実施することになった。実施場所の大阪府立東大阪高等職業技術専門校(以下、東大阪技専校という。)が設置されている場所は、ものづくりの中小企業が集積する東大阪市にあって、日本唯一の高い技術力を持った企業が多く点在している。コースの実施に当たっては、企業や受講者の利便性を第一に考慮し、ポリテク関西の指導員が東大阪技専校に出向く計画を選択した。このように受講環境立地の優れた東大阪技専校

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