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図2 全国の介護施設の増加状況図3 年齢別の建設業就業者数は、国の「医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度」等に基づき財政支援措置が行われている。一方、介護関連の職業と繋がりが強い介護事務員については、介護関連の雇用拡大や介護施設の増加と呼応して、今後の増加が見込まれていながら、施策としての人材確保が行われていない状況である。介護事務員が担当する介護保険は、医療保険との給付調整が行われている等、医療保険事務と密接な関連性があり、超高齢化社会に対応したケアシステムの動きとして、地域の医療、介護、生活支援、介護予防が一体的に提供される地域社会を構築するため「地域包括ケアシステムの構築」が検討されていることから、介護報酬請求事務、診療報酬請求事務及び調剤報酬請求事務の見直しとともに、これらの事務ができる人材の確保・養成が求められる。大阪府内の既存の職業訓練コースでは、医療事務関連コースの就職率が80%を超えており、安定した雇用に繋がっているが、より多くの雇用が見込まれ、良質な雇用へのマッチングが期待できる介護・医療・調剤の三分野を網羅した訓練コースは実施されていないことから、大阪コンソでは、検証訓練として開発する分野として「介護・医療・調剤事務分野」を選定した。(2) 土木・建機運転分野建設技能労働者は、平成23年度以降、関西地方を建設経済研究所「建設業就業者数の将来設計平成26年1月」による-13-含む全国で不足している状況にある。大阪労働局の平成26年6月26日付け求人・求職状況速報では、建設・採掘の職業の有効求人倍率が3.36倍と非常に高い数値であり、人材不足の現状を裏付けている。年齢別の建設業就業者数は、図3のとおり、29歳未満の若年層が少なく、55歳以上の年齢層の割合が高いため、数年後には、技能労働者の高齢化による深刻な人材不足が懸念されている。続いて、建設業を取巻く環境の変化に着目すると、高度経済成長期の1960年代に建築された社会基盤構築物が耐用年数を超え、老朽化対策として、長寿命化や建替えの工事が必要となっている。その顕著な例として、平成24年12月に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故があり、各地の社会基盤構築物・設備の老朽化が深刻な社会問題となっている。また、地球温暖化に伴う異常気象により、全国各地で大規模災害が頻発しており、特に時間雨量100mmを超えるようなゲリラ豪雨が増加傾向にある等、大規模災害の予防保全・防災対策のためのインフラ整備は、各自治体の喫緊の課題となっている。この状況下で、大阪府は、国のインフラ長寿命化計画を受けて「大阪府都市基盤施設維持管理技術審議会」を設置し、道路・河川・下水道・公園・港湾・海岸などの都市基盤施設の長寿命化に取り組んでおり、都市インフラ維持が大きな課題となっている。これらインフラ維持関連の工事に当たっては、設計図面の施工法を理解し、実測後に施工計画の策定や施工管理する現場管理者(土木施工管理を行う建

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