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図2ー1 過去3年間の企業を取り巻く事業環境の状況職業能力開発総合大学校基盤整備センター 品川 達郎本開発は、職業能力開発総合大学校基盤整備センターの調査研究テーマとして、平成25年度から2年計画で職業能力開発総合大学校(以下、「職業大」という)の教員、研修部の協力のもと取り組んだ。開発の成果として、訓練技法開発研修カリキュラム、研修テキストを開発し、それらを活用した試行研修の実施及び検証、研修計画(品質管理分野)を立てた。なお、完成した品質管理分野の研修は、平成28年12月19日(月)に職業大において開講する予定となっており、本稿をご覧いただき間接支援分野に関心を持っていただけた方には、是非研修受講を検討していただきたい。(開講する研修のカリキュラムを本稿の最後に示す)近年、新興国のグローバル市場進出による市場の競争の激化等、製造業全般における市場環境は大きく変化している。図2-1に過去3年間の企業を取り巻く事業環境の状況についての調査結果[1]を示す。「製品に求められる品質・精度が高まった」、「より短納期を求められるようになった」や「国内・海外企業との競争が激しくなった」などの回答が多く、「他社との差別化や技術革新」や「製品開発期間のスピード」に関する意識よりも、品質の高い製品を「より早く」、「より安く」提供することに関心が高まっていることが分かる。-36-独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下、「JEED」という)が担う職業訓練は、製造業などの「ものづくり分野」で活躍する人材の養成、育成を行っている。JEEDにおいて、ものづくり分野は加工、組立、設計等の「ものづくり直接生産分野」(以下、「直接生産分野」という)と品質管理、生産管理、設備保全等の「ものづくり間接支援分野(以下、「間接支援分野」という)の2種類に定義し、計画、実施されている。訓練の実施にあたり、指導員は各自の持つ専門性に関連した加工や設計、施工等に係る技術、技能の研鑚に努めている。直接生産分野を主たる担当としている指導員が訓練を実施するバックボーンとして間接支援分野についての基本事項を理解しておくことで、直接生産分野の訓練にノウハウとして間接支援分野の要素を取り入れて展開することができ、直接生産分野と間接支援分野のバランスの取れた人材を育成することができる。その結果、製造現場にて効率的かつ安定的な生産に資する人材を輩出することが期待できると考えられる。1. はじめに2. 目的ものづくり間接支援分野等における 訓練実施基盤の開発

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