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大会会場を盛り上げるグッズさて、世界一の技術力を有する米国は、日本よりも「ものづくり」に従事する者が少なく、マイスター制度に代表され技術大国のイメージの強いドイツは、日本よりも「ものづくり」に従事する者が多い。先進国であるほど、製造を担う人口比率が下がっていくとの情報がある。しかし、ものづくりに対する代替産業がない日本の経済復興のためには、得意分野である「ものづくり」を復活させ、「ものづくり大国日本」への返り咲きを目指すことが必須であると考える。「ものづくり」の原点は何?と聞かれると「それは、遊び心です」と迷わずに答える。米国のシリコンバレーでは、10年ほど前から「メーカーフェア」と呼ばれる「ものづくりの祭典」が開催されている。手作りの衣食住関連製品から、おもちゃ、パーソナルなコンピューター関連機器、そして高度なコンピューターまでもが展示されるという。プラモデルを作っている個人から、GoogleやNASAまでもの多くの人々が「ものづくり」というキーワードで集まる。自由な発想から多くの製品やサービスを生み出し「ものづくり」のルーツや文化が見えてくる催しだという。日本にも多くのアニメがあり、近未来を題材としたモノもあれば、アイドルやカッコイイを強く意識したものなどが発表され、多くの若者が列をなしている。こういった遊び心は大切で、コスチューム・プレイという和製英語に代表される事柄でさえ、自らが服飾制作を手掛けるという。「好きであること」・「こだわること」・「欲望を持つこと」・「それを自分で解決する努力をすること」。これらはとても大切なものづくりの原点でもある。お金で解決しようとする時代に工夫と努力を惜しまない心は、何よりも大切な財産である。-28-さて、読者はミニ四駆をご存じだろうか。株式会社タミヤ(旧株式会社田宮模型)が発売しているプラモデルであり、商標はタミヤが保有している商品である。1968年に発売された「クイックレーサー」という商品を皮切りに、「子供でも作りやすいキット」の製品化を図り、何処でもよく走る四駆の動力模型/小学生でも気軽に買える数百円程度のキット/パーツは極力減らし、なおかつ接着剤不要で手軽に作れるスナップフィットキットという方針の下にミニ四駆の開発が始まったという。スナップキットという形態をとったことで、オプションパーツ・グレードアップパーツへの変更が可能となり、マニアにとっての魅力となるカスタマイズが可能となった。当初は「走らせられる場所が無い」という問題があったが、企画・製作スタッフの一人がバケツの壁を走らせる事を思いつき、そこからレーサーミニ四駆用のコースが設計される。しかし、スピードを上げると簡単にコースアウトしてしまう欠点が出てくる。これを解決したのは小学生で、バンパー部に洋服のボタンを釘止めしてローラーにし、コーナリング時のコース側壁との接触をスムーズにしていた。また別の小学生は長い針をバンパーに立て、車体全3. あそび心とものづくり4. ミニ四駆の過去と現在

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