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東北ブロックの職業能力開発校では、平成21年度から平成26年度まで電子機器組立て技術競技を毎年2月もしくは3月に実施している。出場者は、東北ブロックにある専門課程(能開大、県立短大)の電子情報関連の科に在籍する学生である。本競技の目的は、電子機器関連の技術や技能の向上にある。出場者は大会出場後、中央職業能力開発協会が実施している技能検定2級(電子機器組立て職種)の合格や若年者ものづくり競技大会の出場、技能五輪全国大会の出場を目指す。また、競技の課題作成や審査員を指導員とともに学生も行なっているため、その学生の技術や技能は格段に向上する。本競技の出場者は、若年者ものづくり競技大会の電子回路組立て職種に出場し、平成24年度から平成27年度まで4年連続入賞している。また、技能五輪全国大会の電子機器組立て職種に、平成26年度までに専門課程の4名の学生が出場しており、1名は努力銀賞を授与されている。学生に聞いたところ学生として魅力のある訓練とは、就職に役立つ訓練であること、成果物があること、資格等が取れること、競技に出場して良い成果を得られることなどがある。競技への出場はこれらを満たすことができる。なお、競技は出場者だけのトレーニングになると考えられがちだが、競技の内容や環境を授業に取り入れることで、仕上がり像が明確になり、体系的な授業になるとともに、競技出-1-場者がクラスの他学生を牽引するようになる。ここでは、東北ブロックの電子機器組立て技術競技および若年者ものづくり競技大会と、筆者が在籍していた秋田職業能力開発短期大学校(秋田短大)におけるこれらの競技への取組み事例を紹介する。電子機器組立て技術競技は平成25年度まで東北ポリテクニックビジョンのものづくり競技会として実施された。本競技以外は、木造耐力壁競技や旋盤加工技術競技、電気系保全競技、ロボット競技が実施された。平成26年度は東北ポリテクニックビジョンとしてではなく、各校開催になり、旋盤加工技術競技は青森職業能力開発短期大学校(青森短大)、電子機器組立て技術競技は秋田短大で実施された。電子機器組立て技術競技は、平成21年度から開催され、東北職業能力開発大学校(東北能開大)や青森短大、秋田短大の指導員が作業部会のメンバとなり、1年ごとに持ち回りで競技を主催した。課題作成に関しては、平成25年度までは東北能開大の応用課程で当時生産電子システム技術科の中澤指導員および学生が担当し、平成26年度は、作業部会のメンバである東北能開大の専門課程で電子情報技術科の遠藤指導員や青森短大の専門課程で電子情報技術科に在籍していた渡邊指導員の助言のもと、秋田短大の専門課程で電子情報技術科に在籍していた筆者および2年生が担当をした。平成21年度から平成23年度は技能検定2級(電子1. はじめに2. 電子機器組立て技術競技ものづくり競技を通じた職業訓練について近畿職業能力開発大学校 庄林 雅了関東職業能力開発大学校 中澤 直樹東北職業能力開発大学校 遠藤 裕之新潟職業能力開発短期大学校 渡邊 克彦

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