図1 研修用ガントリークレーン実機揚程25ｍ、アウトリーチ33.5ｍ船舶を模した船形が設置されている（手前）一般財団法人 港湾労働安定協会 港湾技能研修センター 所長 竹内 孝一次長 志方 定港湾技能研修センターは、港湾労働者の能力の開発・向上を目的として、昭和63年に財団法人港湾労働安定協会（平成24年４月に一般財団法人に移行）によって、愛知県豊橋市に設立された、ガントリークレーン実機を有する国内唯一の職業訓練施設です。研修コースは、ガントリークレーン運転研修、ストラドルキャリヤー運転研修の他、愛知労働局長の登録教習機関として、クレーン運転士免許試験に係る実技教習他、玉掛け技能講習、フォークリフト運転技能講習及び船内荷役作業主任者技能講習等７科目の技能講習を実施しています。また、愛知県公安委員会指定の指定自動車教習所として、大型自動車等の運転免許取得研修を実施しています。平成19年度からは、港湾運送事業者の後継者育成を目的に、概ね入社５年未満の港湾労働者を対象とした、若年港湾労働者研修（港湾運送事業法、国際物流の現状等をテーマにした座学講座）を開始しました。研修コースの中でも、ガントリークレーン運転研修は、設立当初から研修用に設置されたガントリークレーン実機を用いた研修として、多くの港湾運送事業者から、ガントリークレーンオペレーター養成のために研修生を派遣していただいているコースです。こうした中で、ガントリークレーンを始めとして、港湾運送事業における機械化及び技術革新の進展に対応し、革新荷役機械に係る教育訓練を効果的に実－15－施するため、平成26年度に国は、ガントリークレーンシミュレータ（注１）を港湾技能研修センターに設置し、港湾労働者が高度な技術・技能を習得できるよう支援することとしました。この稿では、導入されたガントリークレーンシミュレータの仕様及びシミュレータ訓練を導入したガントリークレーン運転研修と、新たな研修コースについて、カリキュラム等を検討してきた、「ガントリークレーン訓練カリキュラム等研究委員会」（以下、「研究委員会」）（注２）及びその専門部会の議論の経緯を含めて報告します。シミュレータに期待される性能や機能については、現在国内メーカーでは製造されていないことから、海外メーカーの製品をベースに検討を行いました。1. はじめに2. ガントリークレーンシミュレータの仕様ガントリークレーン・シミュレータの導入と活用
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