3/2015
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図2 原糸図3 錘図4 原糸を管に巻いた様子図5 管巻機繊維自体がほぼ直線で用いられているので破断強度は高いです。有結節網地に比べ生産効率が低いので単位重量あたりの単価は高くなりますが、結節を有していないので網地重量が軽量できる、破断強度が高いので網糸を小径化でき網地重量の軽減化に繋がる、といった特長により、網地価格を抑えられるので広く普及しています。次項では、現在国内外で水産業界だけでなく、アスレチック施設や工事現場などの安全ネットでも幅広く利用されている無結節網地、その中でも代表的な“貫通式”無結節網地の製造工程を紹介します。網地は以下の工程により完成します。原糸→管巻→編網→検査・修理→樹脂加工・熱処理→整反・梱包→完成3-1. 原糸原糸とはその名の通り網地の原料となる糸です。使用用途やエンドユーザーの要望により、素材、色などを使い分けます。-16-3-2. 管巻網地は編網機(へんもうき)という機械で製造しますが、この編網機に原糸をセットするには糸を巻いた管(かん、ボビンとも呼ぶ)を編網機の付属品の一つである錘(つむ、ソケットのような物)に、テーパー状になっている先端部から糸が出るように装着します。この管には管巻機という機械を用いて原糸を巻きます。原糸は非常に細い物ですので、出来上がる網地の糸の太さにより、図4のように原糸を数本~数百本束ねた物を管に巻き、それを錘にセットします。3-3. 編網前工程で原糸を巻いた管を錘にセットした物を図6に示す円型の編網機に、錘の細い先端方向が全て中心に向くよう設置します。一般的な無結節網地の編網機の直径は約4mです。3. 網地製造工程

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