2/2015
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図4 WG会議の様子図5 PLC制御学習用教材図6 電子計測実習の様子本プロジェクトでは,異なる省庁に属する職業訓練学校においても有効な研修スキームのモデルを開発するために,それぞれ異なる省庁に所属するHaUIとTTCの指導員から構成されたワーキンググループ(WG)を立ち上げ,省庁間の連携体制をとりながらプロジェクトを進めている.そのWG会議で,HaUIのヒアリング結果をもとに以下の説明を行った.指導員経験や年齢の分布図より技能の伝承の必要性,各指導員の平均値と標準偏差の結果から,早急に能力強化研修が必要な内容と専門性の偏りについて述べた.また,これらの結果をもとに,研修受講対象者や能力強化研修を担当する指導員を選定する方法について説明した.3.2  近隣職業訓練学校近隣職業訓練学校のヒアリングは,ハノイ技能技術職業訓練短大(TTC),ハイフォン工業職業訓練短大(HPIVC),ハノイ工業職業訓練短大(HIVC),ハノイハイテク職業訓練短大(HHTVC)の4校で行った.4校ともHaUIとTTCの指導員がヒアリングを担当し,専門家はヒアリングの補佐を行った.4校のヒアリングは,WGメンバーである複数の指導員が担当したが,質問項目,各レベル(レベル1~5)の説明,専門技術の質問に対する回答がヒアリング担当指導員によって若干異なっていた.これに関しては,ヒアリング終了後のWG会議の中で,面談の報告と反省点を話し合い次回以降の面談で改善を図った.-45-各学校でのヒアリング終了後,ベトナム国での職業訓練の現状把握と指導員能力向上研修計画の参考にするため,施設見学(設備・機器等)と授業見学を行った.日本国内で使用されている訓練用機器も多くあったが,日本以外の国から技術援助を受けている学校においては,ヨーロッパ製の訓練用機器を使用している学校もあった.シーケンス制御実習の見学では,既存の電線を使用し,制御盤に差し込んで回路を製作している学校が多く見られた.日本でも同様の実習機器を使用することはあるが,殆どのシーケンス実習では,電線の被覆を剥いて圧着端子を接続し,回路の作成まで行うのが一般的である.この他にも教材費を抑えながら実習効果をあげる工夫が必要な実習がいくつかあった.授業見学では,指導員の研修を計画する上で参考になった.

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