2/2015
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 上記2.1及び2.2をふまえて,下記の作業性を投入することとしました.図1 一般的な道路標識の記載例奈良県立高等技術専門校 販売実務科 脇 長泰知的障害のある訓練生は,単純なローマ字を覚えることが苦手であるため,この教材によって少しでも理解を得られるきっかけになればと思い開発した教材です.販売実務科の訓練生は,開校当初と比べますと資質や能力に少しずつの変化が窺えるため,コンピュータ訓練においても教材の改良や研究創作制作も進めています.特にこの2年間においては,ひらがな入力の訓練生が多くなっています.中学や高校の授業で,「ローマ字を覚えきれないために,ひらがな入力を薦められた」と言う訓練生もおり,能力がありながら自分であきらめている訓練生もいます.そこで,パソコンやスマートホンなどで無理なく楽しくゲーム感覚でローマ字入力が出来るように本教材の研究開発にあたりました.2.1  他の類似教材と比較して(1)パソコン及びOSの操作方法も同時に学習できます.(2)表計算ソフトや文書作成ソフトの使い方も平行して学習することもできます.2.2  知的障害者に向けた開発にあたっての工夫点(1)ローマ字入力をより覚えやすくと考え,自分の-21-名前や住所の入力,また,反復文字などを基本操作の習得用文字としました.(2)履歴書は,就職に向けて必要となる書類となるため,入力作業自体が,手書き履歴書の見本となります.(アルファベットのふりがな)(3)道路標識は,通学途中で必ず目にする情報源ですが,標識の漢字を読むのは困難です.一般に道路標識は,図1のように地名の下にローマ字で記載されています.ローマ字を習得することによって,たとえ漢字が読めなくとも,ローマ字を読むことができれば漢字が読めた事と同等になり日常生活で不便を感じなくなります.2.3  作業性(1)入力作業の楽しさ(2)覚えやすさ入力作業を少しでも楽しく行えるよう,カラー文字や色ベタ地にカラー文字の浮き出しや抜き文字などを採用した.例えば,ローマ字入力においてKとAで[か]1. はじめに2. 教材の工夫点パソコンによる覚えやすいローマ字入力「愛うえお」

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