1/2015
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図3 Webブラウザ上での避難者の情報入力画面図4 NFCを用いた避難所の入退出管理システム-7-タ等の機能を搭載し,メインサーバ自体の総消費電力をノートPCの1/5以下とした。太陽光発充電システムを用いることで長時間稼働(2日間以上)できるシステムを実現する。メインサーバの仕様は表2のとおりである。 避難所にいる避難者の情報入力(氏名,住所,被災状況等)は,避難者自身が所有する携帯端末(携帯電話,スマートフォン,PC端末等)の既存のWebブラウザソフトおよび専用ソフト(今回はAndroid端末のみ)から容易に避難者情報を入力できるよう開発した。 図3がスマートフォンのWebブラウザで表示した避難者情報の入力画面である。これはPHPアプリケーションで開発したものであるが,図3の入力画面の項目は,実際に避難所で使用されたものを参考に作成した。  また,避難所における避難者の入退出が流動的に変動した場合でも,避難者の入退出管理を迅速に行えるよう,避難者が普段から所有するNFC(Near Field Communication)カード等を使った避難所の入退出管理を行うシステムを考案した。図4にNFCを用いた避難所の入退出管理システムの概要を示す。 一般的にNFCカードの代表例としては,SuicaやTカードなどがあるが,われわれはこれらを個人認証として有効活用できないかと考えた。現代社会で生活している人ならNFCカード1枚以上は所有しているといっても過言ではない。もしも,NFCを所有していない人の場合でも,避難所でNFCチップ内蔵のリストバンドを配布し,腕などに付けさせることで個人認証できるよう考案した。 NFCカードならびにNFCリストバンドに埋め込まれたUID(User Identifier)と既に登録済みの避難者情報とを対応づける。これにより,避難者が避難所を入退出する際に身に付けたNFCカード等を避難所の出入り口付近に設置されたメインサーバと接続状態のNFCリーダにかざすことで,避難者の入退出管理を正確かつ迅速に行える。 本システムのメインサーバでは避難者の名簿を作成する機能のほか,安否情報の作成や,配慮の必要な人の救援ニーズ情報を作成する機能を搭載させる。後者の救援ニーズ情報の作成機能は,平成25年度の研究においては未対応である。また,作成した被災者名簿等はUSBフラッシュ・メモリ等の電子媒体にCSV形式ならびにJSON形式で保存し,外へ持ち出せる機能としている。 よって,フェーズ1のシステムでは,原始的であるが人手を使って,NPOや協力団体へ救援を依頼するシステムとした。図4に示した,通信を利用し,インターネットを介して救援を依頼する機能については,平成26年度の開発フェーズ2で対応する調査研究報告

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