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島根職業訓練支援センター 求職者支援課斎藤 理佳大天 健一-17-1.はじめに2.実施機関の課題と対応策について 求職者支援訓練は,平成23年10月から実施されている国の制度であり,訓練の目的は受講者を「できるだけ早期に就職できる」ようにすることである。 そのためには,仕事に必要な知識を習得させるほか,演習等によって知識を活用して自信を持たせるよう,就職支援やキャリアコンサルティングを効果的に連携させた総合的な支援を行っていくことが求められる。なお,受講対象者は,雇用保険の受給ができない方とされている。 島根労働局において平成25年度に実施された「職業訓練に関するアンケート」(平成25年11月28日発表)の結果によると,採用の際に重視されるのは「仕事への意欲」(398社:81.7%)が最も多く,次いで「コミュニケーション力」(297社:61.0%),「免許・資格」(255社:52.4%),「経験」(217社:44.6%)であった。このアンケートは,県内の雇用保険適用事業所から抽出した1,000社のうち回答のあった487社の状況をまとめたものである。 島根職業訓練支援センター(所長 尾中宏明。以下「当センター」という)では,このアンケート結果と併せて,巡回確認の際に行った求職者支援訓練の実施機関へのヒアリング・受講者アンケートをもとに,実施機関に求められる支援についてケース会議(平成25年度から実施している)で検討を行い,セミナー等の計画を立て,実施することとした。 実施機関は,求職者支援訓練を効果的に実施するため,それぞれの持ち味を生かし,創意工夫をしたコース運営を行っている。講師には,当センターが実施する「ワークガイダンス講師育成講座」も受講していただいており,当該講師が「職業能力基礎講習」を担当する体制も構築できている。 ただし,「ワークガイダンス講師育成講座」は,ヒューマンスキル等の講座準備をするための内容や方法についての理解は深まるが,具体的な個々のコースの実施については,担当する講師に依存することになる。また,この講座の教材は,カリキュラム・指導案を含めて整備されているが,実際には,同じ内容でも担当する講師の力量に左右されるという問題がある。 「職業能力基礎講習」は,職業人として必要なヒューマンスキルや職業選択の価値観などを理解するために,職業訓練において重要な要素を受け持つ時間である。しかし,受講者アンケートによると「職業能力基礎講習」を実施する意味や位置付けが十分理解できていない受講者がいることも散見される。 前述の,平成25年度の島根労働局「職業訓練に関するアンケート」でも,採用の際に「仕事への意欲」や「コミュニケーション力」が重視されていることからも,訓練の全体構成の中で「職業能力基礎講習」を十分機能させること,また,就職支援やキャリア実践報告-受講者支援を効果的に展開するために-求職者支援訓練実施機関向け支援について

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