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[参考文献]6.おわりに7.謝辞 本開発テーマは電子情報技術科の2年間で学んだ組込み技術,ソフトウェア開発技術,電子回路技術,情報通信技術といった電子情報分野の柱となる技術をベースに,電気エネルギー制御科で学ぶパワーエレクトロニクス技術や生産技術科で学ぶ機械CADによる筐体設計技術,さらに既存の電子情報技術科のカリキュラムにないデータベース構築技術等といった複合的な専門技術を有した内容であるため,学生にとっては就職後即戦力になるような実践的な技術・技能の習得要素が含まれている。 また,本開発テーマは企業との共同研究と直結しているため,本研究(総合製作実習)を開始した平成25年4月から平成26年2月まで毎月2回以上のペース(8月を除く)で企業と学生を交えた進捗会議および学習会を実施してきた。この進捗会議および学習会では,技能や技術以外の学生のヒューマンスキル(プレゼンテーション能力,コミュニケーション能力等)を向上させる目的で,研究開発の進捗説明等を積極的に担当学生に行わせるなどして,スキルの底上げを行ってきた。さらに,組込み技術に関する最先端技術の習得の場にもなっており,職業訓練教育に携わる者として,大変有意義な職業訓練教育環境を提供できたといえる。 本研究では,東日本大震災において発生した避難所における人的管理・資材管理の難しさや問題点を教訓とし,大規模災害(M7以上)における迅速かつ効率的な避難所の運営を実現するため,浜松の地元企業と共同でICTを用いた避難所管理システムのフェーズ1のプロトタイプ開発を行った。 この研究成果物は既に浜松メッセ2014および東海ポリテクビジョン2014(岐阜)などに出展し,多くの訪問者から反響を得ることができた。 本研究は単に避難所支援システム開発に限らず,避難所の運営方法まで含めた総合的な管理支援システムの実現を目指すものである。今後はフェーズ2(災害発生時から1ヵ月未満)のシステム開発および,平成25年度に開発したフェーズ1のシステム評技能と技術 1/2015-10-1)内閣府(防災担当):「東日本大震災における災害応急対策の主な課題」,2012年7月 http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg/5/pdf/3.pdf2)今井建彦:「東日本大震災から課題とその対応の現状(自治体ICTの側面から)」仙台市総務企画局情報政策部,2011.3)「東日本大震災被災地支援への取り組みについて」  http://www.microsoft.com/ja-jp/citizenship/disasterrelief/default.aspx4)西宮情報センター:被災者支援システムの概要 http://www.nishi.or.jp/homepage/n4c/hss/5)平成25年度専門課程総合制作実習の成果物表彰 http://www.jeed.or.jp/js/kousotsusya/polytech_co/hyosho_h25_senmon.html#01価ならびに改善を行う予定である。 特に介護が必要な方,外国人,障害者,アレルギー疾患や難病の患者など,個別の対応を必要とする人たちの救援ニーズ情報を作成し,避難者データと合わせて無線通信などで協力NPO団体や自治体へ送信できるようにしていきたいと考えている。 また,専門課程の職業訓練教育の底上げが図れるよう,民間企業および団体,地元大学などを巻き込んで,本研究プロジェクトを実施していきたいと考えている。 最後に,本研究を進めるに当たり,多大なご協力を頂きました㈱ユー・エス・ピーの天城様,アツミ特機㈱の山口様,和歌山職業訓練支援センター 訓練課長 岡崎仁氏,またご協賛頂きました梅澤無線電機㈱様,日本Androidの会浜松支部様,静岡大学情報学部准教授 峰野博史様に深く感謝申し上げます。

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