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6.3 阻害要因とそれを乗り越えるための工夫6.4 制度の活用による具体的な効果写真3 Off–JTの様子技能と技術 4/20146.5 本事例のまとめ写真4 歯科衛生指導の実技の様子養成コース」「診療補助養成コース」「歯科受付コース」の3つのコースを設定しました。もともとあった新人スタッフ用の訓練マニュアルを精査し,6ヵ月間の訓練を行うことにしました。 従来の新人スタッフの教育は,いきなり現場で見学・実践するなかで学ぶという方式でしたが,今回実施した訓練では,Off–JTによる講義の時間も設けました。講師となった11人のスタッフには,「通常の業務+講義」という役割ができましたので,講師ではないスタッフも,講義の時間には現場から講師が抜けて人手が減るために,それぞれの負担が増えました。そこで,スタッフの出勤時間を調整したり,休日を利用した勉強会などで訓練時間を確保し,訓練を進めました。 特に,訓練カリキュラムの作成などでは,事前説明や手厚い支援がありましたので,トラブルを未然に防止できました。 訓練生は,Off–JTとOJTを通して理論も技術もスキルアップできたうえ,自信がつきましたので,さらに笑顔を心がけて診療に従事できるようになりました。 講師を務めたスタッフも,自らの仕事を省みて人に教えることによって,再度の学びにつながりました。さらに,講師ではないスタッフも,Off–JTのために講師を務めたスタッフが現場から抜けることか-46-ら,足りなくなる人手をカバーするために,それぞれがスキルアップを図ることによって,結果的にスタッフ全員のレベルアップを図ることができました。 また,ジョブ・カードに記入するために,広島県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方と面談のなかで,訓練生は自分の仕事に対する心構えができましたので,訓練の終了後には,自分自身の成長が実感できたのではないかと思います。特に,歯科衛生士養成コースの訓練生は,卒業した専門学校で学んだ知識などでは実際の現場で自信につながらず,この訓練による実技と実習によって身に付けることができましたので,同期のスタッフからは,このような研修制度を受講できたことをうらやましく思われた,と語ってくれました。 「人材の養成には,『時間』と『費用』がかかりますが,この制度を活用することによって得られた助成金による後押しは,とてもありがたい」との言葉をいただいた。 特に,「学生用ジョブ・カードは,新規学卒者の歯科衛生士に対しての活用を考えています」と言葉をいただいた背景には,従来の履歴書よりも,自分の仕事に対して向き合うことが求められる書式になっているため,仕事に対するイメージや仕事の意義をより効果的に納得してもらえる書式だからではないかと推察される。

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