図２写真９写真10＜参考文献＞ので「見て習う」ことに慣れていません。それをモデリング訓練により，自ら見て習うことを練習します。技術を見て自分で習うことの大切さ，その本質を理解できれば，自ら能動的に技術を覚える姿勢が身に付きます。自ら覚える姿勢が身に付けば加速度的に技術を覚えていけるのではないかと考えています。 今，日本左官業組合連合会でも人造石洗い出し仕上げの技術をDVDにしたものがあります（図２）。そのDVDを見るだけでは技術は身に付きませんが，能動的に覚える姿勢があれば，映像から技術を盗み出し，習得できる可能性は非常に高いです。 モデリングの訓練は建設業ではまだまだめずらしいものです。モデリングの育成方法とは少し異なりますが，製造業においてはトヨタをはじめ，さまざまな企業で熟練者の作業をビデオに撮り，時間数，工数を減らすことに活用しているそうです。 左官のモデリングの事例をヒントに，テーラーの業界や生鮮業でもマネをしたい，と左官モデリングの見学に来られた企業もあります。技能と技術 4/2014－26－１）厚生労働省 ホームページ http://www.mhlw.go.jp２）You Tube 久住章さん左官基礎トレーニング https://www.youtube.com/watch?v=wwM9u4jc9QI３）（一社）日本左官業組合連合会 ホームページ http://www.nissaren.or.jp モデリングによる育成は教育訓練の事例としてわかりやすいため，外部機関にも大変評価をされています。当社では東京都の人材育成大賞都知事賞，厚生労働省キャリア形成支援企業大臣賞を受賞しました（写真９，写真10）。 左官のモデリングは全国各地の事業所で展開されています。今現在は中塗りの基本トレーニングだけですが，今後は左官のさまざまな技術をモデリング訓練の形にできればと思っています。そうすることで今まですべてが暗黙知であった左官の仕事が一部でも形式知化されるのではないかと期待しています。
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