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写真6写真7 入社後6ヵ月の女性見習いの例写真84.モデリング訓練の成果5.モデリング訓練の今後・育成のスピードアップ 今まで1年程度かかっていた育成を1ヵ月程度で行うことができた。早く職人の入り口に立たせることができる(写真7)。・定着率のアップ 左官の塗る作業を覚えさせることで左官の面白さ料運び,材料捏ね,道具洗いなどが主で,ほとんど鏝を持たせて塗らせてもらえる機会はありません。「覚えたいやつが見て,自ら習って覚えろ」という訓練でした(自ら見て習うというところから,見習いという言葉ができたといわれています)。 これは,現場に行ったらまず何をするかという基本的なことをみっちりとたたき込まれるので,よい育成方法ではあったのですが,現代の若者にはちょっと合わない気がします。 現代の若者は教育慣れしている人が多いと感じています。教えてもらえれば,素直にやることができる。悪く言えば,教えてもらえないとできないというタイプの人が多い。そのタイプの人たちに昔ながらの「見て習う」教育方法で行くと,教えてもらえないので迷ってしまう。そのため,今,当社では左官モデリング訓練を使って,入社してすぐに鏝を持たせて塗ることを教えています。 左官モデリング訓練を行い,繰り返しビデオを見て,やり方を習いながら覚えていきます。これは形式や場所こそ違うけれども,昔ながらの「見て習う」という教育と同じではないかと思っています。-25-・見習い工の手待ちの減少 従来の見習い工は掃除,段取が終わると塗る作業を手伝えないので,作業を見ているしかできなかったが,モデリング訓練を行った見習い工は塗る作業ができるので,掃除,段取が終わっても少ない面積や先輩たちのフォローのもと,塗る作業を手伝うことができる。現場の職長も助かるため,現場サイドでも評判が高い(写真8)。を実感することができる。また,塗る作業ができることで,現場で実際に塗るチャンスを与えられることもあり,仕事へのモチベーションが保たれ,定着率のアップにつながっている。 現代の若者に合った教育方法と考えられるモデリングですが,この訓練の本質は従来の職人教育である「見て習う」ことを若い人に身に付けてもらうことにあると感じています。 今の若い人たちは学校教育のシステムが昔と違う企業の訓練

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