3/2014
6/54

作りを行った。 表3に指導案内容(要点整理)を示す。 コンサルティングを進めるうちに,アセスメントツールを利用したほうがよい学生が,数名現れてくる。 以前はVPI職業興味検査(現在は(一社)雇用問題研究会では販売されていないので,使用したい場合は職業レディネス・テストを利用することになる)を,各学生の検査する目的だけでなく,クラス全体の特性として把握するために実施していた時期もある5)が,学生用ジョブ・カードを用いた個別のコンサルティングを実施する現在においては,(個別にコンサルティングを実施するので)その有効性はそれほど高くなくなった。 しかしながら,それでも実施する意味を持つ学生内容-4-は存在する。例えば,先に挙げた2つの初期のプロセスに達していない学生に実施すれば有効かもしれない。すなわち,自己理解を促す「きっかけ」としてのアセスメントツールの利用である。 アセスメントツールであれば統計的な判断により,ある程度,客観的なデーターを学生に提供することができる。そのため,一部の学生は職業指導員の話よりも場合によっては,その結果を信頼することがある。このことは,良い方向へも悪い方向へも傾く可能性を秘めているので,実施には学生が前向きに取り組めるようにする配慮は必要であるが,一定の効果はある。 また,RCC就職レディネス・チェック7)やキャリア・シミュレーション8)等の新しく開発されたアセスメントツールがある。このようなアセスメントツールを含め,実施判断はコンサルティングにより行い,必要とされる学生に実施するのが望ましい。ちなみにRCC就職レディネス・チェックは,学生の就職に対する「準備度の点検」や「就職に対する思い込み修正」に有効であり,キャリア・シミュレーションについては啓発的経験ができないとき等(インターンシップが実施できない場合等)に有効である。また,「キャリア・シミュレーションによる啓発的経験」9)(2012)では,就職活動を終えた学生(2年生)と就職活動前の学生(1年生)に実施した内容を報告書として取りまとめた。6.さまざまな連携 表2に示したように,コンサルティングの実施時期を設定し,学校の独自の取り組み・ガイダンス等と連携しながら実施してきたが,この他にも連携して実施してきたことがある。例を挙げると学科(授業)とインターンシップの連携である。 インターンシップにおいては,どの企業にインターンシップに行ってみたいか学生の希望調査は行うが,多くは企業への通勤手段の制約により,特定の企業に限定されてしまうことが多い。その場合,学生にとっては「本当はA社に職業体験したかったのに」,実際は「実はあまり興味のないB社での実表3 指導案の内容(要点整理)回数学生用ジョブ・カードを作成する意味の説明「今までの経歴(学歴)は変わることはないので,一度整理しておきましょう」「資格についても,いつ,どんな名称の資格を取得したのかを整理しましょう」「ジョブ・カードはハローワークでも利用され,採用においてもジョブ・カードを用いる『ジョブ・カード普及サポーター企業』も増えてきています」等1回目自己理解の確認「就職ガイダンスが終わりましたので,いよいよ就職活動が始まります」(これから就職活動が始まることの示唆)「本格的な就職活動をする前に,自分の自己PR,利点,欠点,趣味等まとめておきましょう」「自己PRを一体どのように記述したらよいか困っている人は,12月に実施する性格診断テストやWEBで実施できる適性診断テストを参考で実施してみましょう」等2回目学生用ジョブ・カードの完成「年も明け,会社見学やエントリーシートによる応募が本格化していきます」「会社見学や,エントリーシートを作成する際,まとまった資料があると便利です。この機会に学生用ジョブ・カードを完成させましょう」等3回目技能と技術 3/20145.アセスメントツールの利用

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る