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 加工機として5軸(直交3軸と回転2軸)マシニングセンタを使用して,バレルカムの溝加工のみを行っている。加工中は,直交XYZ軸(3軸)とC軸の合計4軸で加工しているので,加工中のビビリが発生する場合,図のような片持ちのチャックワークでなく,センター作業でワークを支持して製作するほうがよい。 なお,バレルカムの溝加工として,3次元CADでモデリングして,5軸のCAMシステムを用いて加工する方法も考えられる。しかし,3次元CADでバレルカムのモデリングは多少難しくなる。一般的に溝の中心曲線と溝の断面プロファイルが決まるとモデリングを描けるが,この場合,断面プロファイルの傾きが中心曲線の任意の点で異なるため,難しくなる。また,紙面上3次元のモデリングの図は,式⑴で計算された位置でカムフォロアに相当する形状をブーリア演算で除去することを,マクロプログラムで繰り返して作っている。-50-聞1)職業能力開発総合大学校能力開発研究センター「平成12年度応用課程課題集 標準課題1」CD版,生産システム技術系12)職業能力開発総合大学校能力開発研究センター「平成13年度応用課程課題集 標準課題1」CD版,生産システム技術系13)西岡雅夫「機械技術者のための実用カム機構学」日刊工業新 図9に,製作したバレルカムを使用したインデックステーブルを示す。タイミングベルトのホイールを回転すると,滑らかにテーブルは60度回転と停止を繰り返すことができた。 今回,立体カムを使用したPick&Place装置のインデックステーブルの設計製作の事例について紹介した。本テーブルには,立体カムの1つであるバレルカムを適用し,5軸のマシニングセンタを使用して製作を行った。バレルカムの5軸のNCプログラムも簡単で加工も問題なく行うことができた。今後,5軸のマシニングセンタの導入課題として,バレルカムを使用されることを期待する。 最後に,立体カムのPick&Place装置の製作の協力と資料をいただいた職業能力総合大学校生産技術科の卒業生の渡辺君と二日市君に御礼申し上げます。<参考文献>図8 5軸マシニングセンタによるバレルカムの溝加工の様子図9 バレルカムによるインデックステーブル技能と技術 3/20145.おわりに

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