3/2014
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工 次に本バレルカムの製作手順を示す。「設計と加工手順」① 割り出しテーブルのタイミングチャートの作成② 滑らかな間欠運動をするためカム曲線の選定③ ①のタイミングチャートにカム曲線を適用しカム動作曲線[φ=F(θ)]を作成④ カム動作曲線を式⑴に適用し,バレルカムの溝の中心位置の算出⑤ 溝のNCプログラムの作成⑥ 5軸マシニングセンタによりバレルカムの溝加 初めに,テーブルの1回転中の回転と停止する角度を決定し,タイミングチャートを作成する。図6に今回製作に用いた割り出しテーブルのタイミングチャートを示す。駆動軸が0から90度まではテーブルφ=30度で停止し,駆動軸が90度から270度区間でテーブルは30度から-30度まで(合計60度)回転する。そして,再び駆動軸が270度から360度までは-49--30度でテーブルは停止する。タイミングチャートの曲線では,装置を滑らかに動かしたり停止することができないため,カム曲線を選定し,適用する。 カム曲線として多くの曲線が提案されているが3),今回は,次の簡便なカム曲線として,次の単弦曲線を用いている。 S=0.5(1-cosπT) 0T1,0S1 このカム曲線を適用し,図7のカム動作曲線を求めている。なお,タイミングチャートにカム曲線を適用して,実際の滑らかな曲線にしたものをカム動作曲線としている。カム動作曲線は,加工のことを考慮して,駆動軸回転角-180<θ<540の区間でのテーブル回転角φを求めている。 次に,図7のカム動作曲線から駆動軸の回転角θとテーブルの回転角φの関係が求められたので,表計算ソフトを用いて式⑴から溝の位置を算出し,その座標値をもとに4軸で直線補間することでNCプログラムを作成し,バレルカムの加工を行った。その時の様子を図8に示す。実践報告図5 バレルカムの原理図図6 回転テーブルのタイミングチャート図7 カム動作曲線4.バレルカムの製作

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