3/2014
49/54

Pick&Place装置の製作では,カムの加工で5軸のマシニングセンタによる加工が必要となり,実際に加工してみると非常に面白く訓練課題として,良いものになると思われた。 そこで,今回総合的な訓練課題として,図2に示す立体カムを用いたPick&Place装置を紹介する。なお,図の装置は,ハンド先端のチャックの代わりにマーキング装置を取り付け,自動スタンプ装置としたものである。本装置には,立体カムとしてローラギヤカムとインデックスバレルカム(以下バレルカムと呼ぶ)および平面カムを使用している。ローラギヤカムは,マシニングセンタのATC装置の旋回などに用いられ,高速に回転ができ,パックラッシュが少ない機構である。また,バレルカムは,-47-テーブルの割り出しに用いられる機構である。本報告は紙面の関係でバレルカムによるインデックステーブルを紹介し,次回にローラギヤカムについて紹介する。 図3に立体を用いたPick&Place装置の構造と動作を示す。間欠回転運動をするテーブルとワークを移動するハンド部で構成される。図中の駆動軸を回転すると本装置は稼動する。図のハンド部はローラギヤカムとカムフォロアで搖動運動し,かつ平面カムでリフト運動する。これらのカムを動作に合わせて配置すると,ハンド部は一連の動作を行うことができる。さらにテーブルはハンド部の動きに同調してバレルカムにより間欠回転運動し,テーブルの割り出しを行う。 ここで具体的な動き示すと,次のようになる① 駆動軸が回転すると,ローラギヤカムと平面カムが連続回転を始める。② 平面カムの回転でその従節のレバーが上昇し,ハンド部を上昇させる。③ ローラギヤカムの溝でハンド部が正転し,ハンド部が回転テーブルに近づく。④ ハンド部は平面カムの従節レバーにより降下する。⑤ ハンド部と回転テーブルは一時停止する。⑥ ハンド部は平面カムの従節レバーで上昇する。⑦ ハンド部がローラギヤカムにより反転し,最初の位置に戻る。⑧ ハンド部が降下する⑨ ハンド部は一時停止する。 以上で1サイクルとなる。 なお,回転テーブルは④⑤⑥の区間で停止し,それ以外の時点で1サイクルごとに60度回転する。実践報告図1 Pick&Place装置の1号機図2 立体カムを用いたPick&Place装置2.立体カムを用いたPick&Place装置

元のページ  ../index.html#49

このブックを見る