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 写真2は,技能五輪全国大会で実施された職種の競技課題の一例である5)。写真2.1は,標準時間11時間の建築大工職種の競技課題である。写真2.2は,標準時間5時間のフライス盤職種の競技課題である。写真2.3は,標準時間5時間の旋盤職種の競技課題である。写真2.4は,標準時間5時間30分の電工職種の競技課題である。 図1は,開催年度における競技参加人数の推移6)について示したものである。図より,1990年前後あたりをピークに競技参加者が減少している。この減少傾向の背景には以下のことが推測される。⑴  1980年代頃から話題になった労働環境・作業内容に対する「きつい」,「きたない」,「危険」の最初の文字をもじって3K職場という流行語の影響が若者の技能離れに拍車を掛けたものと考えられる。⑵  バブル経済によるブルーカラー指向の減少が考えられる。 その後,90年代の半ば頃から参加人数の増加が現れ始めている。この背景として,以下のことが考えられる。⑶  1990年のバブル崩壊による深刻な不況が発生し,ホワイトカラー職種の大量リストラが展開された。そのことが影響しているのか定かではないが,その後,ブルーカラー職種に対する見方の変化が表れ,手に職を持ちたいという風潮が高まり,ものづくりに関心が高まるようになった。そのような中で,2007年に第39回の技能五輪国際大会が静岡県で開催されることとなり,これを契機に競技大会への参加数が増加するようになった。ものづくりの技能尊重機運が高まってきたのではないかと思われる。写真2.1 建築大工職種の競技課題写真2.2 フライス盤職種の競技課題技能と技術 3/2014写真2 競技課題-42-写真2.3 旋盤職種の競技課題写真2.4 電工職種の競技課題図1 開催年代別の競技参加人数

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