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3.独自の取り組み・ガイダンス等「出遅れ」と「行き詰まり」というキーワードで分類している。また,就職困難者によくみられる特徴等もまとめられている)。 そこで,適合できない学生については個別にキャリア・コンサルティング等を実施させることになるが,場合によっては,学校外の機関にリファーする必要がある(リファーとは相談機関を訪れたクライエントに対し,その機関では十分な対応ができない場合,他の適切な専門家にクライエントを紹介すること)。さらにインターンシップ等の学校等で学生用ジョブ・カード導入以前から,学校が独自に行っていたガイダンス等の取り組みも合わせると,今後,さまざまな取り組みを一体どのように連携させ,一貫した「キャリア教育」「職業教育」を進めていくことが「多様な学生」にとって有効なのであるかということが問題となる。 以上のことをまとめると,「多様な学生」を取り巻く取り組みの様子は図1に示すとおりになる。すなわち,これらのさまざまな取り組みを,学生用ジョブ・カードを用いた個別キャリア・コンサルティングを軸に,学生のキャリア発達に合わせつつ,就職指導を実施していくことになる。具体的には,集団で実施するガイダンス等の学校独自の取り組み等と個別キャリア・コンサルティングを連携し,継ぎ目なく進めていくことが必要であると思われる。 以後,岩手県立産業技術短期大学校での独自の取り組みと,平成24年度のメカトロニクス技術科で実施した学生用ジョブ・カードを利用したキャリア・コンサルティング方法を紹介していく。※2月以降から,学生個別に企業見学等を実施し,意思決定する。 岩手県立産業技術短期大学校(以下,本校と記述する。)は,職業能力開発促進法に基づく労働省認可の職業能力開発短期大学校として平成9年に開校した。矢巾校においては専門課程5学科,20名の少人数クラス編成の行き届いた指導を行っている。  その5学科に共通で実施している学校独自の取り組み・ガイダンス等は表1のような日程で各科1年生に実施される(表中の日付については,平成24年度のメカトロニクス技術科の学生に実施されたものである。特に工場見学やインターンシップについては学科により,実施日の違いがある)。また,「プロセス」の項目は,キャリア・ガイダンスを進めて行くプロセスを示し,実施内容がどのプロセスに関連するのかを記した(キャリア・ガイダンスのプロセスは6つあり,それぞれ,「自己理解」「仕事理解」「啓発的経験」「意思決定」「方策の実行」「仕事への適応」となっている)。 さらに,外部講師による「職業社会論」という授業(後期に実施)においてビジネスマナーや接遇等が実施されている。内 容プロセス仕事理解仕事理解自己理解仕事理解仕事理解図1 「多様な学生」の取り巻き技能と技術 3/2014表1 学校独自の取り組み・ガイダンス等の日程日 付6月6日㈬工場見学7月9日㈪〜インターンシップ(5日間)啓発的経験10月10日㈬就職ガイダンス11月14日㈬就職講話(第1回目)12月3日㈪YG検査12月5日㈬校長講話1月16日㈬就職講話(第2回目)1月19日㈯岩手就職ガイダンス-2-

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