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は,木工技術科,インテリアサービス科,電気工事科,OAシステム開発科,若年者就業支援科(福祉サービスコース),物流管理実務科,ビルクリーニング管理科,ファッションリテール科,介護サービス科,建築塗装科,配管科,DIYアドバイザー科,設備保全科,マンション維持管理科,実務作業科の15科を擁していた。 以下は,実務作業科を除く,上記14科について,入校状況,就職状況・就職支援状況を1年間の実績としてデータ分析したものである。① 生徒年齢と就職率との関係 各科生徒の平均年齢が就職率にどう関係しているか分析した。平均年齢を横軸に,就職率を縦軸に取り,14科それぞれの結果をプロットした。この相関図を図2に示す。 図2から,各科の平均年齢が高くなればなるほど就職率は相対的に低くなっているものの,それほど顕著な傾向とはなっていないことがわかる。 一般的には高年齢になるほど就職が厳しくなると思いがちだが,実際は科によって大きくバラツキがあることがわかった。高年齢者を対象とした科であっても求人需要の高いものがあり,一定数の求人数が確保されている。また,社会経験がプラス材料となり,面接もそつなくこなすことができ,就職に結び付くケースも少なくない。今後,高年齢者の就職問題が大きな社会問題となるのは必須であり,こうした年齢との相関分析が少なからず役に立つのではないか。-32-② 応募者数と就職率との関係 次に,応募者数と就職率との相関を,①と同様に分析した。結果を図3に示す。一般的には応募者が多くなれば,競争原理から生徒レベルが上がる傾向となる。これは就職にも良い影響を及ぼすのではないかと思われたが,図3からはその期待が裏切られた結果となった。 応募者の数は訓練対象の科の人気に比例するが,それが必ずしも就職に結び付いていない。社会ニーズに合った人気科目であっても,実は肝心の求人数が極端に少ない場合がある。 また,応募者が多い科は当然のことながら,その就職先も高い競争率となる傾向にあり,それが就職率に影響しているのだ。 応募者が増えることは職業訓練校としては歓迎すべきだが,就職率の面からは喜んでばかりはいられない。やはり,時代に合った質の良い求人開拓と生徒に対する職業訓練スキルと就職指導をしっかり行うことがいかに大事か,を物語っている。③ 求人件数と就職率との関係 求人件数と就職率との相関を同様に分析した。その結果を図4に示す。 求人件数と就職率は比例すると考えられたが,現実はそれほど相関がないことがわかった。これは必ずしも予想外とは言い切れない。なぜならば,実習を伴う科では,就職実績のある企業の実習先で求職側と求人側との事前面接がスムーズに進み,すんなり就職が決まるケースが多いことが挙げられる。 逆に,求人倍率が高い職務では企業側の都合から図2 就職率と年齢の相関図技能と技術 3/2014図3 就職率と応募者数の相関図

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