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 そこで,各種の筆記試験に共通する内容が含まれているSPIと一般常識について対策を行っている。1つは問題集による自学自習である。もう1つはインターネット上の就職支援サイトの利用である。年8回開催されるWeb上の模擬試験を,時間と場所を設けて実施している。 当校学生の就職活動では,一般的なエントリーから受験することは少なく,主な受験対象である地元企業においては,SPIなどの試験が課せられるケースも少ない。そこで,筆記試験対策の主体を一般常識試験においている。 具体的には,就職支援業者による模擬試験を数回と対策講座である。これによって,学生が自分のレベルや得意不得意を認識するとともに勉強方法を習得する。また,教員など支援者が個々の実力を把握することで,会社選択のアドバイスに役だてることができる。従来はSPI試験対策も一般常識と同程度に重要視していたが,前述の理由から現在は縮小している。 個々の企業に対する試験対策は,その都度求人票などを参考に行っているが,過去に受験したことのある企業に関しては,その経験の活用が有効である。当校では試験ごとに就職試験報告書を作成させており,問題の種類や量,得点と合否の関連など過去のデータを蓄積し,対策に利用している。独自の試験方法の会社もあり,論文や作文のテーマ,出題方法や傾向,面接の質問内容についても大いに参考となる。これを広く利用できるように管理している。 筆記試験以上に重要である面接試験の対策としては,大きく3つの段階を想定している。 初めは11月頃に合同面接練習を1年生全員で実施している(図7)。面接だけではなく,就職活動におけるマナー講座として実施している。立ち振る舞いや表情,言葉遣いを習得するが,最大の目的は,はっきりと自分の意思を伝える発声方法と緊張せずに話せる練習である。技能と技術 3/2014-26- また,学生が面接者の役割を担うことで,客観的に面接時の様子をとらえることもできる。 1月頃には,他科の教員が面接者を務める交換面接練習を実施している。所属する科の教員との面接練習も行っているが,次第に緊張感が薄れていくことがデメリットであり,気持ちを引き締める意味でも実施している。また,面接者が変わることで,さまざまな指摘がなされ,新たな反省点も発見できる。この時期になると,概ね進路の方向性が決まっており,本番さながらの面接練習となってくる。 就職試験の直前では,校長をはじめ管理職との面接練習で締めくくっている。これまでの練習の成果を確認すると同時に,最後の激励をし,明るい表情で面接試験を迎えている。 これらの面接練習の流れが順調であり,結果として進路決定率につながったものと考えている。 学生の進路決定には保護者の協力も不可欠である。まずは入学式後の保護者ガイダンスにおいて,全体的な進路決定や支援の流れ,また,各科特有の進路状況等について説明し,協力を仰いでいる。 さらに,平成25年度からの試みとして12月1日の解禁日に合わせ,進路に関する問題を保護者にも十分理解していただき,学校側と綿密に連携することを主たる目的として,保護者説明会及び懇談会を実施した。保護者の関心は高く6割以上の保護者が参加し,そのうち8割が面談を行った。保護者にとっ図7 合同面接練習7.面接試験対策 8.保護者へのアプローチ

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