3/2014
23/54

 「4.職業能力基礎講習で重視するポイント」の項でも挙げたが,求職者支援訓練をより就職を目的としたものとして効果的に運用するためには,基礎講習の内容もさることながら,「他科目との連動」と「スタッフ間の連携」が重要となってくる。 しかしながら,そこを意識して実施している実施機関はまだまだ少ないように思われる。 「科目連動」については,「基礎講習」を単体でとらえず,「職業人講話」「職場見学」「専門カリキュラム」,さらには「ハローワーク来所日」「キャリア・コンサルティング等の就職支援」と一連の流れの中で実施時期を考えて基礎講習を配置し,内容を設定していくことが,より「就職」に結び付く訓練運営となるのではないか。 また,「スタッフ間連携」については,基礎講習におけるグループワークとキャリア・コンサルティングの連携による受講生の把握や,専門カリキュラムの習得度の状況など,把握した内容をスタッフ間で情報共有し,就職支援の必要性の度合いを図る目安にするなど,事務担当者,専門カリキュラム講師,基礎講習講師,就職支援担当者等が一体となって受講生を支援する体制を整えることが有効であると思われる。6.おわりに この調査報告書をまとめることができたのは,ひとえに今回ヒアリングに応じていただいた実施機関の皆様のご協力の賜物である。お忙しい中,実際に基礎講習を担当している講師の方にまで貴重なお話をうかがう機会を作っていただいた実施機関もあった。さらには,実施機関がそれぞれ努力・工夫してきた講習内容やノウハウ,テキスト等の資料まで開示していただき,多くの示唆を得ることができた。この場を借りて改めてお礼申し上げたい。 また,「事実は概念を乗り越える」という言葉があるが,実際の現場に多くの示唆があふれていることを改めて認識したヒアリングでもあった。訓練を担当されている方々においては,日々の訓練の現場-21-でさまざまな受講生に真摯に取り組んでいることに敬意を表したい。 最後に,この調査報告が職業能力基礎講習講師にとどまらず,求職者支援訓練に携わるさまざまな方に,基礎講習の意義を理解していただき,より良い講習ができる一助になれば幸いである。就職支援の取り組み35.3 科目連動とスタッフ間連携

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る