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 B:フィードバック  「スタッフ連携」と重複する部分でもあるが,講師の講義内容の「監査」の仕組みとして,「ご意見BOX」「キャリコン時における状況確認」など,講習内容を客観的に「見える化」して,常に早期に問題を把握し,修正する仕組みを構築している。 C:出席促進  これも「配置・時間割」と重複するが,基礎講習がきっかけとなりがちな受講生の欠席グセを防止するために,「専門学科と同様の必須科目」という意識づけに努めたり,基礎講習のグループワークや自己開示に抵抗感がある受講生には「グループワークに参加しなくてもよいので,教室にいればよい」というように無理強いをしないで,自然に参加できるような気配りもみられる。5.1 就職支援時間の確保技能と技術 3/2014 今回の調査対象機関での基礎講習の内容は,ある程度独自のスタイルを確立しつつあると思われるが,それでも基礎講習の内容や進め方に問題意識を持っている実施機関が少なからずある。 基礎講習は,設定時間と実施項目以外,基本的なカリキュラムの配置,実施時期,具体的内容はすべて実施機関に委ねられているため,中には外部の講師任せになっている現状もある。 求職者支援訓練の更なる質の向上のためには,機構センターとして,基礎講習の実施内容の具体的ヒントが得られる場,実施機関同士の情報交換・交流の場等を積極的に提供することも有効な支援だと思われる。 代表的意見は以下のとおりである。・就職に直結する履歴書・経歴書作成や面接指導が訓練時間の中で実施できないことは大きな問題。時間的な問題にとどまらず,集団で指導することによる効果もある。基礎講習の中で実施することが難しいのであれば,別途就職支援講座という名目にして指導できるようにしてほしい。・基礎講習と就職支援の連動。就職という目的のためには,この2つは密接につながることで効果が発揮できる。履歴書の書き方,ジョブ・カードの意義など共通することは基礎講習の中で話ができれば,キャリコンではその説明の時間が省略でき,1人ひとりによりきめ細かい対応が可能になる。・面接の仕方などは人のやり方を見ることで学ぶことは大きい。このことが実現することだけでも,大きな前進となる。・現状はある程度自前で実施しているが,それが正解なのかは疑問。機構センターとして具体的な内容を示すなど道筋を明確にし,ある程度の統制が必要ではないか。・基礎講習の内容が専門的な内容に寄りすぎていて,一般のビジネスから離れてしまい,求職者支援訓練のポリシーと少しズレているのではないかと懸念している。・外部講師にお任せ状態なので詳しい講義内容は事務局では把握していない。-20-5.2 職業能力基礎講習の内容の向上5.ヒアリング調査からみえる問題・課題 今回のヒアリング調査からみえてきた問題や課題は,大きくは3つに集約できる。 「2.1 職業能力基礎講習のとらえ方」の項で述べたように,認定基準において訓練時間数に就職支援項目を含めることができないために,基礎講習と就職支援が切り離されており,そこに問題を感じている実施機関が少なくない。時間的な限界や集団で就職支援を実施するメリットが活かされないなど,より効果的に就職支援を行ううえでは課題といえよう。 就職支援項目(履歴書・職務経歴書作成に関わる指導,面接の受け方,ジョブ・カード作成支援等)を基礎講習の中で実施できるようにするかは別としても,カリキュラムの時間に含めた形で集団に対して「就職支援項目」が取り組めるようになれば現場の負担も軽減され,よりきめの細やかな指導ができるものと思量される。 代表的意見は以下のとおりである。

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