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いる。 また,自分の強みを発見し,キーワード化するためにジョブカード(様式3)を利用している実施機関もみられた。⑵ 仕事理解 仕事理解には3つの科目群があり,分野や受講者特性に応じてその配分が異なっている。① コミュニケーション コミュニケーションは,「3つのきき方」「5つのきく態度」「アサーション」などのコミュニケーションの基本と専門分野特有の「プレゼンテーションスキル」や「ロジカルシンキング」などがある。 「プレゼンテーションスキル」の科目の中で,「ディベート体験」をはじめ,「エレベータピッチ」「USP作成」「オレンジをめぐる交渉」「アンデスの職人」などの多様な演習を実施することで,基礎講習全体を通してその養成に注力しているケースもみられた。② ビジネスマナー ビジネスマナーの教科には以下のような内容がみられた。礼儀とあいさつ,言葉づかいと伝え方,席次・礼の仕方,クッション言葉,ビジネス会話・敬語・電話等の接客の基本。さらに組織で働くということ,ビジネスパーソン3識,仕事に対する姿勢,職場での人間関係等の心構えなど。 一方で介護や美容関連では,一般的なビジネスマナーに加えて業界特有のマナー習得を重視している。③ 職業理解 受講している専門分野の業界や職種,具体的な仕事の理解を促進する科目群である。内容は職業意識,職種理解,業界知識である。さらには仕事現場の実感的理解を促進するために修了生を講師とした講話や意見交換も実施されている。⑶ 就職準備 就職のための準備として,以下のような領域で実施されている。① 基本ステップ 就職活動全体を俯瞰して理解するための内容である。具体的には,就職活動の準備・心構え,採用者-17-から求められること,就職の成功と失敗の要因,就職活動7ステップ,棚卸など。② 企業情報収集 ハローワークの利用の仕方,求人票の見方から興味のある企業情報の収集の仕方など,就職活動としての基礎的な内容であり,このことを知らない受講生が多いということで,多くの実施機関で必須科目となっている。また,ハローワーク担当者に講師をお願いして,ハローワークの利用の仕方や求人票の見方等の講習を実施している実施機関もある。③ 面接対策 面接対策指導である。模擬面接をはじめ,面接を想定した服装を義務付けてのビジネスマナーチェックなどゲーム感覚を取り入れた工夫や志望動機と自己PR,第一印象の重要性などの徹底が内容となっている。また,美容関連ではネイルサロン特有の面接指導を実施している。④ 書類作成 履歴書など就職活動に必要な書類作成の基本を教える科目。就職支援としては,この書類が完璧に書けないと「就職」という結果には結び付かないとの認識から,郵送の仕方から住所や企業名の書き方,会いたいと思ってもらえる履歴書の書き方など,各実施機関が力を入れている科目といえる。 基礎講習の科目は共通する内容が多いが,先に述べたように基礎講習に対するとらえ方や,科目のウエイトのかけ方の違いによって,以下の2つに分類できる。① 分野スキル重視 「就職支援」に該当しそうな項目をあえて避け,「就職後の職種基礎スキル」を重視した科目内容である。具体的には,プレゼンテーション能力,ロジカルシンキング,ポートフォリオ,分野特有のスキル(接客,介護の心構え等)習得にウエイトをかけている。② 就活スキル重視 一方,「就活基礎スキル」を重視した科目で,自己理解や仕事理解を前提とした履歴書,職務経歴就職支援の取り組み33.2 科目内容の実施機関での差異

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