3/2014
17/54

 ④ 職業能力基礎講習にみる問題・課題 ⑤ 授業の参観(実施機関によっては担当者からのヒアリングのみ。) 調査対象実施機関は以下の複数の基準で選定した。 ① 実施状況確認の担当者からの推薦 ② コース分野の多様性 ③ 大手実施機関又は求職者支援訓練多数実施機 調査対象実施機関については,表1参照のこと。2.職業能力基礎講習について 実施機関では職業能力基礎講習(以下「基礎講習」という)をどのようなものとしてとらえているのか。 今回の調査から図1のように大よそ4つのタイプに分けることができる。そのタイプに分化する要因として,以下の認定基準が前提としてある。 4つのタイプの概要は以下のとおりである(図1参照)。A:認定基準遵守 A-①:疑問と負担を感じながら就職支援と線引きした科目で実施 A-②:基礎講習はプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力養成科目に特化B:現実的対応  Bタイプは現実的判断として,基礎講習の中に,履歴書・職務経歴書作成指導の一部を取り入れていることが推測されるもの『職業能力の開発・向上に直接関係しない次のような科目は認定上必要とされる「1ヵ月につき100時間以上」の訓練時間に含めることはできません。』① 開講式,修了式,オリエンテーション② 就職支援(履歴書・職務経歴書の作成に係る指導,面接の受け方の指導,ジョブ・カード作成支援等)③ キャリア・コンサルティング④ 公共職業安定所への来所日関-15-C:中間タイプ  CタイプはAとBの中間ともいうべきタイプである。このタイプは「1ヵ月につき100時間以上」の訓練時間数に含めない形で,基礎講習実施の近接日に就職支援の時間をあらかじめ設定して,集団で就職支援を実施している。 このように就職支援項目を訓練時間数に含めることができないために,基礎講習はさまざまなとらえ方により,カリキュラム内容は各実施機関ごとに実に多種多様な内容が存在し,実施面での苦労がうかがえる。 基礎講習を担当する講師は,基本的には内部講師と外部講師に分けられる。 なお,講師要件としては「指導等業務の経験」と「ワークガイダンス講習講師育成講座を受講することが望ましい」とされているが,専門カリキュラムの講師と比較して明確な条件は設定されていないのが現状である。① 内部講師  内部講師は,就職支援担当者や運営責任者が専任で担当する場合と専門カリキュラムの講師(例えばWebの講師等)が兼務する場合とがある。兼任のメリットとしては,他の授業で信頼関係が構築されていれば,基礎講習の運営がよりスムーズに進むことや講師が業界や職種を熟知しているならば,現実就職支援の取り組み31.5 調査の対象2.1 職業能力基礎講習のとらえ方2.2 職業能力基礎講習の講師体制図1 職業能力基礎講習のとらえ方

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る