2/2014
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 今回のリフォーム実施場所のトイレ概略図面は,図2に示すとおりである。ブースは2ヵ所および掃除道具入れ1ヵ所の計3ヵ所であり,扉を含め,ブースパネルを合計8枚製作する必要がある。既存のブース(図3)の下部が,長年のトイレ掃除の水の跳ね返り等で,腐食による劣化が見受けられた(図4)。また,既存のものは,各ブースを無機的に仕切っているだけのフラッシュ構造で,どことなく冷たい感じを抱く使用者もいたと感じている。そこで,今回のリフォームでは,木の温かみを使用者に感じてもらえるよう,無垢の木材を使用して,ブースを製作することとした。 新しく設置するブースの構造は,框構造とし,枠(立て框・上下桟)をベイツガで,鏡板を無垢のレッドパイン羽目板を取り付けることとした。各ブースの図面は,既存のブース撤去後(図5),全体寸法および金物取付け位置寸法を計測し,詳細設計図面(図6)を,建具屋の後継者である在校生が担当,製作に当たっては,住宅建築科生徒12名全員で,それぞれ分担した。 既存ブース撤去後の作業一連の流れは,表1に示すとおりである。一連の作業内容は,ブースパネル詳細図面作成,框部分の木取・加工(図7)・組立,鏡板の取付(図8),塗装(図9),取付金物部分の欠き取り,仮架設・設置(図10)である。 框部分の木取は,木工機械や電動工具を使用しての木材の加工が主であり,基本的な操作方法を生徒に教え,その後の作業は,安全に十分気を付けながら,生徒主体で実施した。なお,生徒の不慣れにより危険が伴うと思われる加工(昇降盤による溝付等)については,指導員が実施した。また,木取した立て框・上桟・下桟等のほぞ穴は手加工,ほぞは機械加工とし,木工用ボンドを使い組み立てた。 今回のリフォーム実習では,生徒たちが製作した技能と技術 2/2014-36-図4 ブース劣化状況図5 既存ブース撤去後図6 新規ブースパネル設計図面表1 作業一連の流れ3.リフォームの概要4.リフォームを通しての訓練効果について

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