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6.まとめ度は0.05~0.2mm,真直度は0.02~0.07mmであった。動的精度検査では2通りの繰り返し精度とも0.01mm以下であった。分解能が0.05mmの駆動テーブルではガタツキもなく良好とみなせた。図12に完成品検査の様子を示す。 これまでの訓練実施から,今後の改善点を以下に示す。⑴ 関連科目との連携を深める。・ 「機械設計製図」では,実際の加工を考慮した作図を指導する。・ 「測定実習」では,ダイヤルゲージ類の測定を実践的な内容に向上する。・ 「機械加工」では,加工理論や加工法に加え,製品製作の加工手順を案出する演習を行う。⑵ 新規の加工法や測定法,組立方法や検査方法などについて,場所と時間を確保して全員に指導する。⑶ 加工ミスに対して,読図能力の向上と確認手順を指導し,ヒューマンエラー撲滅の徹底を図る。⑷  加工機不足による手待ちや無駄時間を解消し,訓練効果の増大を目指す。・応用課程の半自動フライス盤を使用する。・ ハンドルなど丸ものの旋盤加工部品を追加する。⑸ 段取りを向上し無駄時間をなくす指導を図る。⑹ 職業人として不可欠なコミュニケーション「報連相」の指導を徹底する。⑺ 5Sと3定の指導を徹底する。-34-⑴ 訓練時間(72時間=1日8時間×9回)内で5グループとも完成品の検査まで行うことができた。図13に完成品を示す。⑵ 前半は通常授業週1日,後半は集中受業で実施し,集中授業の連続訓練は効果的であった。⑶ 精度部品の加工はおおむね良好であった。⑷ ダイヤルゲージ類を用いた実践的な寸法測定と形状測定を習得した。⑸ 三次元測定機の測定実習用教材に本実習の部品を供用し,実習の測定より高精度な測定ができた。⑹ 製品の大敵であるキズ,打痕,面取りなどに対する部品の取り扱い意識が変った。⑺ 加工現場を実習場に持ち込んだ訓練でものづくりの意識が高まった。7.おわりに われはれは設計科目と加工科目,加工科目と測定科目を関連付けて訓練しているつもりであっても,受ける学生にはそれらの関連を意識していない,または,できないケースが多い。ものづくり力は設計・加工・測定を含む生産技術や生産管理の総合力であり,決して単独の部分最適を寄せ集めたものではない。各分野の技術・技能を一体化して全体最適になるような訓練を展開し,改善・改良していかなければならない。 学生には本実習を糧に機械系実践技術者として成長することを期待する。図12 完成品検査技能と技術 2/2014図13 完成品5.次年度以降の改善点

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