2/2014
24/48

 デンソー技研センターでは「時代・環境の変化に柔軟に対応でき,将来,職場の核となる人材を育成する」ことを目標として訓練生の育成を実施している。育成課程は中学を卒業してからの3ヵ年教育の工高課程,高校を卒業しての1ヵ年教育の高専課程,海外拠点の核人材の育成を図る海外留学生課程である(図3参照)。 また,教育に当たっては,「学科教育」「実技教育」「心身教育」を育成の3本柱としてバランスよく育成することを念頭においており,「わかる」から「できる」人材の育成を行っている。訓練生はそれぞれの課程で学んだ後は,職場に配属されるが,その他の進路として,個人の意欲および能力に応じ技能五輪選手や外部の4年生大学(豊田工業大学)進学の-22-道が用意されている。 工高課程は「時代・環境の変化に柔軟に対応でき,将来のものづくり職場の核となり得るバイタリティー溢れる高度技能者の育成」を狙いとしている。 工高課程は中卒3ヵ年教育課程であり,カリキュラムは金属加工技能の習得を中心とした内容である。教育に当たっては,「学科教育」「実技教育」「心身教育」をバランスよく時間配分し育成を図っている。工高課程は,デンソーの設立の5年後の1954年に技能者養成訓練として開始し,現在の1年生は第60期生である。  高専課程は「高度で広範囲の判断ができる幅広い技能を持った高度知的技能者の育成」を目指している。高卒(工業高校)1ヵ年教育課程で工高課程と同様に「学科教育」「実技教育」「心身教育」を通じ,設備装置制御や電気電子機器の技術,技能の習得を行っている。この課程は電子コースとメカトロコースの2コース制であり,1966年から教育を開始し,現在の訓練生は第49期生である。 高専課程の特徴として,デンソーだけでなく国内のデンソーグループ企業からの受託生も学んでいる点があげられる。第49期生全90名の内,国内グループ企業からの受託生は34名であり,約4割がグループ企業からの受託生である。 海外留学生課程はデンソー海外拠点の人材育成の一助として2000年より実施しており,現在までに247名の修了生を輩出している。育成コースは「ライン立上げ業務を自立的に推進できる生産技術員の育成」を狙いとした生産技術員コース,「高度化する生産設備の保全業務を推進できるリーダーの育成」を狙いとした保全員コース,「QCDSH(品質,コスト,納期,安全,人)向上を通じた体質強化活動ができるリーダーの育成」を狙いとした生産員3.1 訓練生育成の方針と教育課程図2 デンソー技研センターの概要図3 デンソー工業学園技能と技術 2/20143.2 工高課程3.3 高専課程3.4 海外留学生課程3.デンソー工業学園の概要

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る